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もうかる家計のつくり方

支出減らない60代夫婦、打開の鍵は妻の小遣い制 家計再生コンサルタント 横山光昭

2018/11/28

写真はイメージ=PIXTA

「老後資金を長持ちさせるために、投資を始めたほうがよいでしょうか」。こう話して家計相談に来たのは、再雇用制度を使って働いている男性Oさん(63)です。貯蓄は1100万円ありますが、再雇用で働けるのは65歳まで。家計運営は妻に任せていたのでよく分からず、「80歳、90歳になると、生活に困ってしまうのではないか」と心配します。実際にOさんの予感は正しく、このままだと75歳以降の家計が崩れかねない状況だったのです。

一緒に相談に来た専業主婦の妻(62)は、「毎月お金が残っているから、ある程度、大丈夫よ」と楽観視しています。Oさんの言う投資の是非を考える前に、まず収支の実態を把握する必要があります。

■企業年金を15年間、60歳から受け取るが…

現役時代は月42万円の手取り収入がありましたが、再雇用期間に入ってから約16万円に減少。生活費に困ると思い、60歳から企業年金を月13万円ずつ受け取ることにしました。ただし期間は15年と定まっています。

収入が減っても、生活費のダウンサイジング(規模縮小)を話し合わなかったので赤字続き。やむなく貯蓄を崩しながら暮らしましたが、Oさんが62歳のとき、老齢厚生年金の比例報酬部分(特別支給の老齢厚生年金)を月8万6000円、受け取り始めました。妻は友人の会社の手伝いで月2万円の収入を得ています。

月間収入の合計は約40万円。一方、支出は37万円かかっています。今のところ黒字で暮らせていますが、この先、収入額が減る年が何度かやってきます。楽観視はできません。

夫が65歳でリタイアすると、労働収入が減りますが、年金の定額部分が支給され始め、年金と企業年金、妻の収入を含め計33万円に減ります。妻が65歳で働くのをやめても大きく変わりません。問題は企業年金の受給が終わる夫75歳以降。月21万円の年金収入のみで暮らすことはできない状態です。今は長寿の時代ですから、貯蓄で補いつつ長く暮らしたいと思っても、生活費だけで6年強しかもたないことが分かりました。

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