新事業創出、社内承認に千本ノック チームで壁破る
凸版印刷フロンティアビジネス開発部部長 加畑知子氏
加畑知子・凸版印刷フロンティアビジネス開発部部長
管理職として活躍する女性が仕事やプライベート、働き方への思いを自らつづるコラム「女性管理職が語る」。女性管理職が交代で執筆します。今回は、凸版印刷フロンティアビジネス開発部部長の加畑知子氏。2度目の登場です。
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ここ数年、新規事業の立ち上げに関わっています。所属部署名にある通り、フロンティアビジネスを創り出す仕事です。
印刷会社がフロンティアビジネス?と思われるかもしれませんが、実は当社、118年前に技術者が立ち上げたベンチャー企業が始まりで、いくつもの新規事業を開発して現在に至ります。
とはいえ、すさまじいスピードで技術進化する今の時代に、新ビジネスを生み出すのは途方もなく難しいことです。それまで取り組んできたマーケティングとは違い、私にとってまさに未知の領域であり、社内にも経験者はほとんどいません。
そこでチームでプロジェクトを立ち上げ、新事業創出のプロセスを一から学びながら進めることにしました。アイデア出しからニーズ調査、コンセプトづくり、プロジェクト管理まで、外部のノウハウも取り入れつつ試行錯誤の日々でしたが、メンバーはどんどん学んで吸収し実践しました。経験や専門知識を持つ新メンバーも迎え、具体的な形にしていきました。
いざ新サービスを立ち上げる段階になると、また新たな課題が生じました。社内の様々な監査・承認や運用体制です。そんなサービスは自社でやったことがないということで、社内ルールや基準に照らし合わせ、一つひとつ確認を取って進めなければなりません。
特にセキュリティーや品質保証は印刷事業の根幹に関わるため、厳しい社内規定や承認プロセスがあり、一つひとつクリアする必要があります。関係部門の千本ノックを受けている感覚でしたが、この仕組みが当社の品質や信頼性を作ってきたのだと再認識し、冷静になろうと考えました。