ライフコラム

子どもの学び

飲み薬・貼り薬・座剤… 薬の種類色々、どう違うの?

2018/12/6

薬は病気を治したり症状(しょうじょう)をおさえたりするのに役立つけれど、余計な働きをすることもある。これを「副作用」というんだ。例えばかぜや皮膚アレルギーの飲み薬の場合、症状はよくなっても、眠(ねむ)くなることがある。車を運転する人などは気をつけないといけないんだ。

ほかにも皮膚(ひふ)の発疹(ほっしん)やはき気、げりや目まいなどの副作用が出ることがある。薬を使う回数や量をきちんと守っても症状が出たら、すぐにお医者さんや薬剤師(やくざいし)さんに相談しよう。薬を勝手にやめると病気が治りにくくなることもあるから、お医者さんの指示にしたがおう。

薬には病院でもらうものと、薬局で買えるものがある。病院からもらう薬は効き目が強い。薬局の薬はより安全なもので、かぜ薬のように、熱やせき、鼻水やのどの痛みなど、いろいろな症状に効くものが多いよ。

薬と食べ物や飲み物との相性も大事だ。例えば、コーラやコーヒー、紅茶(こうちゃ)には、神経を興奮(こうふん)させるものが入っている。一緒(いっしょ)に神経を静める薬を飲むと、効き目が弱まるんだ。グレープフルーツジュースを飲むと、血圧を下げる薬の効き目が強くなりすぎて危ないことがある。お酒をよく飲む人は肝臓が薬を分解しやすくなり、効き目が弱まる。納豆(なっとう)は血液を固める成分をふくむから、血が固まるのを防ぐ薬の効き目が弱まるんだ。

複数の薬を一緒に使うと効き目が弱まったり、強くなりすぎたりすることも多い。いつも使う薬はきちんとお薬手帳に書いて、お医者さんや薬剤師さんに見せよう。安全な薬を出してもらえるよ。サプリメントや健康食品は薬ではなくて、あくまで食べ物。足りない栄養を補(おぎな)うためのものもあるけれど、病気を治すものとしては認められていないよ。分からないことや気になることがあれば、お医者さんたちに相談してから使おうね。

■新薬開発、成功率は3万分の1

博士からひとこと 薬は19世紀までは、植物や動物から取った素材で作ることが多かった。20世紀には化学的に合成する低分子薬の開発が盛んになった。安く量産できて、細胞(さいぼう)内にも入って働く。ただ、病気にかかわるところ以外にも働きかけることによる副作用が起きる。
20世紀末には遺伝子(いでんし)を組みかえる技術を使い、特定の分子だけを狙う抗体(こうたい)医薬の開発が進んだ。2018年のノーベル生理学・医学賞受賞が決まった本庶佑京都大学特別教授の発見は、新たながん治療薬「オプジーボ」の開発につながった。最近は低分子薬と抗体医薬の長所をあわせ持つ中分子薬の研究が盛(さか)んだ。
どの薬も安全性と有効性を確かめる臨床(りんしょう)試験(治験)をしてから、国が承認(しょうにん)して実用化する。治験はきびしくて、安全性を確かめる第1段階(だんかい)から、多数の患者で効果をみる第3段階まである。実施(じっし)するには多額の資金がかかる。新薬開発の成功率は3万分の1ともいわれるほど難(むずか)しい。

(慶応義塾大学の望月真弓教授に取材しました)

[日本経済新聞夕刊2018年11月24日付]

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