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最大1000万円も 親の介護費用を補償する団体保険

2018/11/29

写真はイメージ=PIXTA

高齢の親を持つ会社員です。勤務先の団体保険に介護を補償する保険が加わりました。どのような商品なのでしょうか。

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高齢の親の介護と仕事を両立できず、会社を辞めざるを得ない「介護離職」。企業にとっては働き盛りの社員を失い、従業員には収入の大幅減となるリスクがある深刻な問題だ。総務省によると仕事をしながら介護をしている人は約346万人。2017年に過去1年間で介護離職した人は9万9100人に上った。

国の介護休業制度が充実してきたこともあり、介護離職者の数は07年の14万4800人から10年間で4万人超減ったが、12年の10万1千人からほぼ横ばいだ。

介護離職対策として、損害保険各社が企業向けの団体保険で、親の介護費用を補償する商品を拡充している。親が一定の介護状態になると一時金を給付するタイプが主流で、介護開始に伴う金銭面の負担に備えられる。団体保険なので保険料が割安なのが特徴で、企業にとっては福利厚生の意味合いが強い。

損害保険ジャパン日本興亜は10月、親の介護費用を補償する団体保険を新設した。介護サービスや老人介護施設の入居費用など、介護にかかる費用を実費で補償し、10年間で最大1000万円まで補償できる。

被保険者は従業員、補償対象者が親となり、保険金は親ではなく子である従業員の口座に振り込まれる。親が要介護2以上または要介護1で、認知症自立支援2a以上となったケースを補償する。

東京海上日動では要介護2(または3)以上の認定、または同等の要介護状態となった場合に一時金を給付する。一時金は100万円・200万円・300万円の3種類。給付金は原則、補償対象者の口座に払われる。親だけでなく従業員本人も補償対象者となれるので、通常の介護保険と同じように使える。

三井住友海上火災保険と同グループのあいおいニッセイ同和損害保険は、要介護認定2または3で一時金を給付する親のための介護補償に加え、昨年から介護休業時の給与を補償する商品も取り扱っている。介護休業法では法定の有給期間は最大93日で、これを超えると無給になる企業も多い。その際の収入を補償する商品だ。

保険料は親の年齢に基づいて決まる。三井住友海上で保険金額100万円の場合、親が65歳なら月480円、70歳では1080円となる(要介護2以上の状態が30日継続が条件)。保険期間1年で毎年更新が必要な商品が多く、親の年齢が上がるにつれ保険料も上がる。ただ、同じ保険会社の商品でも団体保険という商品の性格上、企業ごとに割引率や商品設計が違うため、保険料も異なるケースがある。

団体割引で一般の保険より保険料が安くなるなどのメリットはあるが、どの保険会社の商品に加入できるかは勤め先によって異なる。まずは勤め先の団体保険の商品を確認してみたい。

[日本経済新聞朝刊2018年11月24日付]

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