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花火老舗に大手デベロッパー 実力派跡取り娘が新風

2018/11/27

年に10回、花火大会を駆け回るという 宗家花火鍵屋15代目の天野安喜子さん

家業を父から継ぐ女性経営者の活躍が広がりつつある。将来は後継者になるという意識を持ち、専門知識を積極的に身に付けた実力派の跡取り娘が目立つ。男性中心の業界に新しい風を吹き込み、変革や成長を加速する力として期待が高まる。

■花火で博士号・経営工学学ぶ

「危険を伴う花火の打ち上げ現場を仕切る姿を目にして、父のようになりたいと思った」。宗家花火鍵屋(東京・江戸川)15代目、天野安喜子さん(48)は話す。14代目の修さんの次女で、早くから各地の花火大会へと足を運んだ。「他の仕事をしたいと考えたことはない」

1993年に日本大学を卒業。その後2年間、他社で花火製造の修業を積んだ。2003年には母校の大学院で芸術としての花火の研究を開始。博士号まで取得した。「花火の質とイベントとしての演出の力を高める」ためだ。

花火大会では100人近くの職人を束ねる。30代までは自分の意見を通そうとしすぎるあまり、男性ばかりの職人とうまく意思疎通ができず悩んだ。40代になって相手の気持ちを理解し信頼を深めようと努めるうち、助けてもらえるようになったと振り返る。

幼少期から柔道に打ち込み、六段の腕前。国際柔道連盟審判員の資格も持ち、08年の北京五輪では日本人女性で初めて審判を務めた。「花火職人と柔道家の二足のわらじを履いている意識はないが、精神面や体力面ではプラス」。高校生の一人娘も「16代目になる」と話しており、自身の力になっている。

「経営が安定している今こそ、やらないといけない」。九州の定番アイス「ブラックモンブラン」を手掛ける竹下製菓(佐賀県小城市)社長の竹下真由さん(37)は菓子と冷菓の生産ラインを刷新する決断を下した。16年に父で会長の敏昭さんから引き継いで初めて、大型の設備投資に踏み切る心境をこう語る。

一人娘の竹下さんは会社経営を学ぶため大学院では経営工学を修めた。また経営コンサルティングのアクセンチュアを経て、11年に家業に。社長になって商品化した菓子「ブラックモンブランクランチチョコレートバー」は土産需要を掘り起こす。

社長就任当初は「経営の最終判断を下し、従業員を守る責任の重さが胸に響く。気持ちを落ち着かせるため(ブラックモンブランを開発した)祖父の仏壇に向かう回数が増えた」と話していた。それから2年あまりが過ぎ、攻めの経営姿勢を強める竹下さんを、アクセンチュアの同僚だった夫で副社長の雅崇さんが支える。家業の経営と3児の子育てはまさに二人三脚だ。

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