マネー研究所

Money&Investment

年金繰り下げ受給の損得 手取りだとこう変わる

2018/12/2

他の金額で試算してもおおむね手取りベースのほうが繰り下げの効果は控えめになる。受給額面が高くなると「税や社会保険料の負担は増えやすい」(みずほ総合研究所の堀江奈保子・主席研究員)からだ。

ただ受給額面が70万円(手取り63万円)と少なめだと状況は異なる。5年繰り下げると額面は約100万円(42%増)となり、そのときの手取りは92万円(46%増)。額面が低くても一定額の社会保険料はかかることなどから繰り下げの効果は手取りベースのほうが大きい場合もある。

繰り下げは1カ月単位で可能だ。例えば3年(36カ月)遅らせれば額面で25.2%増となる。自分の元の額面と想定する繰り下げ期間をもとに表で手取りの変化を比べてみるのも手だ。表は10万円刻みだが、額面がその中間なら手取りもその中間くらい、などとざっくり判断できる。社会保険料などは自治体によりやや異なるので正確な金額は窓口に確認したい。

繰り下げを考える際に留意したい点は他にもある。

一つは「加給年金」の扱いだ。厚生年金に20年以上加入し年下の妻がいると、その妻が65歳になるまで年約39万円の年金が上乗せされることがある。ところが厚生年金の繰り下げを選ぶとこの加給年金はもらえなくなってしまう。それを避けるためには基礎年金部分だけを繰り下げるという選択肢がある。加給年金は残るので覚えておこう。

■住民税にも目配り

もう一つは住民税についてだ。年金収入が比較的少ない人は住民税が非課税になる(図B)。その場合、自治体によっては介護保険料が減免になるなど負担軽減の対象となる。

医療費の最終的な自己負担額(高額療養費)についても、70歳以上でその世帯の全員が非課税であれば、月2万4600円以下と少なくて済む。介護サービスなどを受けるときの負担も減りやすい。

マネー研究所 新着記事

ALL CHANNEL