
「DIY(Do it yourself)スタイル」が今、シンガポールでは大好評だ。「シンガポールでは家具や旅行などでもDIYスタイルを導入しています。シンガポール人は自分流にカスタマイズするのが大好きで、今回の丼イベントもDIYにしたから、これほど盛り上がったのだと思います」と鈴木氏。
実際、来場者へのアンケート結果をみると、半数以上の人がイベントに参加した理由に「(一度に)いろんな種類の(丼の)トッピングを食べてみたいから」と答えている。
例えば、うな玉丼は通常ポーションだと6シンガポールドル(約492円)だが、ハーフだと3シンガポールドル(約246円)で、東京牛肉丼とうな玉丼をハーフ&ハーフで白飯の上にトッピングしてもらい、さらに天丼の店でエビ天1本2シンガポールドル(約164円)だけ注文して丼にのせることもできる。

神戸ビーフのステーキを10シンガポールドル(約820円)で販売した店などもあり、そのハーフ・5シンガポールドル(約410円)を別の店で購入したカレーライスの上にトッピングして、カツカレーならぬステーキカレーにする人も。日本人にも斬新な丼のDIYスタイルで、自分だけのオリジナル丼を作れるのが楽しく、シンガポール人のハートをつかんだ。
中でも特に人気だったのは、しっかり濃いめの味付けの東京牛肉丼や、うな玉丼、天ぷらを山盛りにした天丼など。一番高いものだと、白飯2シンガポールドルにローストビーフ20シンガポールドルと生卵1シンガポールドルをのせて、合計23シンガポールドル(約1886円)くらいになる。

さらにコメは日によって種類を変え、1日目はシンガポールで精米事業を手掛けるWakka Singapore Pte.,Ltd.の新潟産コシヒカリ、2日目は米穀卸などを手掛ける木徳神糧の岩手ふるさと天日干しひとめぼれ、3日目はホクレン農業協同組合連合会の北海道産ゆめぴりかを使用。1日3回炊き上げて会場まで搬送し、会場では温かいご飯がよそおわれた。
ちなみにシンガポールでは、タイ米だと丼1杯50セント(約41円)くらいなので、日本産米1杯2シンガポールドル(約164円)は4倍近くの値段になり、けっして安くはない。しかしイベントの公式サイトに事前に登録してアンケートに答えた人には、丼1杯無料にしたことなども奏功し、白飯を1人で3杯もお替わりする若者や、毎日来場して全種類の丼を制覇した人などもいたという。