冬のオフィスルック きれいめカジュアル6大トレンド
宮田理江のファッション戦略論
堅苦しさを遠ざけつつ、上品さや落ち着いた雰囲気を大切にしたいオフィスルック。アウターの選び方も悩みどころです。今冬のトレンドを上手に取り入れた着こなしの極意を、ファッション・ジャーナリストの宮田理江さんが解説します。
お仕事ルックのお手本的コーディネートに役立てやすい人気ブランドが「Theory luxe(セオリーリュクス)」。きちんと感のあるシャープな印象と落ち着いた上品なムードを一度にかなえてくれるから、オフィスでの支持率が高い。新作から、冬のオフィスルック6大トレンドを押さえていこう。
トレンド1 チェック柄できちんときれいめ
キュロットパンツはワイドパンツに代わる、人気上昇中のボトムスだ。横に広がり過ぎないのに加え、正面にセンタープレス(折り目)が入っていれば、オフィスにふさわしいきちんと感が出る。伝統的なグレンチェック柄をキリリとした印象で着こなして。
ジャケットとチェスターコートをミックスしたかのようなアウターはボトムスとも合わせやすい。シャープな着映えに導くから、通勤でも仕事中でも重宝しそう。爪先のとがったポインテッドトーのショートブーツで、こなれ感とすっきり感を両立させた。
トレンド2 ツイード生地で大人フェミニン
見るからに上質な生地はお仕事ルックに格上感や落ち着きを寄り添わせてくれる。ツイード素材で仕立てたジャケットは格別の質感。ボリュームのあるブルゾンが、ボトムスとのコントラストでメリハリの効いたシルエットを印象づける。
ジャケットのチェック柄ツイードを引き立てているのは、ホワイト系のスカート。揺らめくドレープが、異素材のブルゾンと響き合う。ウエスタンテイストのロングブーツで、膝下にかかる上品レングスを際立たせて冬の大人フェミニンルックに。
トレンド3 グレーコーデで気負わないシックムードに
グレー系はオフィスルックで重宝する万能色。ジャケットはお仕事ルックの代名詞的アイテムだが、襟のないノーカラージャケットなら、堅苦しさを遠ざけてくれる。スタンドカラーのブラウスはノーカラーと好相性。サテンが艶やかな風合いだ。スカーフを添えたようなムードが、装いに程よい華やぎをのせる。
ワイドクロップドパンツはトーンが薄めのグレーでジャケットとのコントラストをつけつつ、色味が近い「ニアトーン」でまとめた。赤のバッグをアクセントに迎えて気負わない着姿に。
トレンド4 ニットを生かしてノーブルトーンに
オフィスではシャツやブラウスが定番だが、タートルネックに変えるだけで穏やかさが増す。ベージュトーンを基調としつつ、タートルネックを差し色に。それぞれ異なる素材のアイテムを、色のトーンをずらしてコーデ。ワイドクロップドパンツにブーツを合わせ、軽快な足元を演出した。
さらにノーカラーのムートンコートを重ねて、装いに上品な立体感を添えた。柔らかい表情と確かな温もりがうれしいアウターコーデに整っている。
トレンド5 マルチウェイで賢く着回し
1着で何種類にも着回せるマルチウェイのウエアが支持されている。コクーンシルエットのフード付きコートは、キルティング加工のノーカラーコートにもなるインナー付き。単品使いも可能で、マルチに活用しやすい。着膨れしがちな秋冬は細感や抜け感を意識したい。多彩なコーデを組み立てやすいマルチウェイ服は着回しにも役立つ。
ワイドストレートのフルレングスパンツは直線的なシルエットがレッグラインをきれいに描き出す。マルチカラーのチェック柄ストールと鮮やかなブルーのバッグを使った差し色技も効果を上げている。
トレンド6 量感アウターで着痩せルックに
この秋冬のトレンドアイテムに、ボリューミーなアウターが浮上している。エコファー付きのダウンコートは量感がありつつも、ウエストが緩やかにシェイプされた美フォルムだ。アウターの艶やかな質感、カシミヤニットの柔らかい風合いを響き合わせて、装いの表情に深みを出して。
上質ムードに程よいトレンド感を盛り込んで
「セオリーリュクス」から提案されているコーデプランは、上質なムードの中に程よいトレンド感も盛り込まれているから、オンとオフをまたいで、自分好みの着こなしに生かせる。バッグや靴を含めて、トータルにそろえられる点でも、忙しい働く女性の味方になってもらえるブランドだ。
仕事用とプライベート用というふうに、手持ちの服をはっきり分けしてしまうと、着こなしの幅が狭まってしまう。お仕事ルックが単調になるのは困りもの。さりげないトレンド感をお仕事コーデにも取り入れるようなスタイリングを意識すれば、職場でもポジティブに過ごせそうだ。
(画像協力 セオリーリュクス)
ファッションジャーナリスト、ファッションディレクター。多彩なメディアでランウェイリポートからトレンド情報、スタイリング指南などを発信。バイヤー、プレスなど業界経験を生かした、「買う側・着る側の気持ち」に目配りした解説が好評。自らのテレビ通版ブランドもプロデュース。セミナーやイベント出演も多い。 著書に「おしゃれの近道」「もっとおしゃれの近道」(ともに、学研パブリッシング)がある。
[nikkei WOMAN Online 2018年11月10日付記事を再構成]
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