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景気減速 それでも日本株は長期で割安(窪田真之) 楽天証券経済研究所所長兼チーフ・ストラテジスト

2018/11/27

写真はイメージ=123RF
「株式市場は景気減速が本格的な後退なのか、比較的短期で済む停滞なのか見極めようと手探りしている」

2018年の途中まで世界まるごと好景気といっていいほどの好調が続きました。ところが足元、急速に景気がピークアウトする雲行きとなっています。

最初に変調を来したのが中国でした。米国との貿易戦争の影響で、設備投資に急ブレーキがかかっています。中国に工場を構えて欧米に輸出するビジネスモデルが揺らぎ、企業は投資計画を見直し始めています。

■米国景気は来年減速する可能性

米国景気は今のところ好調ですが、来年には減速する可能性があります。(1)今年景気を押し上げた大型減税効果が剥落する(2)米中貿易戦争の悪影響が米景気にも及ぶ(3)米連邦準備理事会(FRB)が利上げを続け、金利上昇が株安を招く(4)米IT(情報技術)大手(フェイスブック、グーグル、アマゾン・ドット・コムなど)に対し世界中で規制や課税が強化される――といった点が懸念されているからです。

そうなれば日本にも悪影響が及ぶことは必至でしょう。18年7~9月の国内総生産(GDP)速報値は、前期比で実質年率1.2%のマイナスでした。マイナス成長は2四半期ぶりで、集中豪雨や地震が主因ですが一時的なものなのか注意が必要です。

企業業績も楽観できない環境にあります。楽天証券経済研究所が東証1部上場の3月決算企業について、主要841社の今期(19年3月期)純利益(会社予想)を集計したところ、11月15日時点で前期比1.6%の減益でした。5月時点の期初予想では2.5%の減益ですから、減益幅が縮小してはいるものの、利益の上方修正がどんどん出て、全体で増益予想に転じるといった観測がもっぱらだっただけにネガティブな内容といえます。

■上期の業績は好調でも下期に不安

上期の実績は良好でも、下期に不安を感じる企業が増えました。(1)産業用ロボット・工作機械業界で中国からの受注が減少(2)半導体ブームが終息に向かいつつある(3)米アップルのスマートフォン販売が伸び悩み、部材メーカーへの発注が減る(4)原油価格の急落を受けて資源関連株の業績が悪化する――などが要因となり、業績拡大にブレーキがかかり始める業界が増えています。

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