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2020フォーラム

東京はまだまだ進化する 五輪で弾み、文化も安全も 第4回日経2020フォーラム、三井不動産・菰田社長ら講演

2018/11/27 日本経済新聞 朝刊

基調講演する三井不動産の菰田正信社長(左)とセコムの中山泰男社長

日本経済新聞社は11月1日、2020年東京五輪・パラリンピックの開催都市である東京の魅力向上や未来像をテーマに「第4回日経2020フォーラム」を東京・大手町の日経ホールで開いた。三井不動産の菰田正信社長とセコムの中山泰男社長が講演したほか、夜間に健全に娯楽を楽しむナイトタイムエコノミーをはじめとする訪日外国人の受け入れ策などで活発に意見交換した。

■ハードに加えてソフト・サービスも

三井不動産社長 菰田正信氏
三井不動産の菰田社長

東京では様々な開発計画が進み、街づくりへの期待が高まっています。グローバルな都市間競争が激しくなる一方でライフスタイルが多様化し、個性あふれる街が求められています。

ポイントの1つ目は街づくりを通して社会課題を解決し、価値を提供すること。2つ目は歴史や文化など土地固有の強みを最大限に生かすこと。3つ目は様々な都市機能をミクストユース(複合用途)化し、建物や空間というハードに加えてソフト・サービスも提供し、暮らしやビジネスインフラを創出することです。

地域に根ざしたコミュニティーを作り、良質なタウンマネジメントを行うことで、時を経るごとに魅力が増して価値が高まります。

1968年竣工の霞が関ビルは日本初の超高層ビルで過密と環境悪化という課題を解決。リニューアルとマネジメントで新築同様の価値を今も提供します。

2007年竣工の東京ミッドタウンは働く、住まう、学ぶ、遊ぶなどの機能を融合しました。本拠地の日本橋は古いものを残しながら、よみがえらせながら新たなものをつくります。

そして東京ミッドタウン日比谷は今年3月29日の開業以来、9月までで約1200万人が来場しました。

日比谷は日本を代表するエリアの結節点で、古くから劇場や映画館が集積するエンターテインメントの聖地です。日比谷公園など緑に恵まれ、古くは鹿鳴館、現在も帝国ホテルや日本の代表企業があるアイデンティティーを生かします。

国際的な代表都市には上質な文化があり、街づくりで重要です。日比谷は映画・演劇の特性を生かし、都内最大級のシネマコンプレックスを整備。こだわりの店舗を集めました。ベンチャー企業と大手企業のマッチング拠点も開きました。

街づくりは建物ではなく街に住み、働き、集う人が主役です。企業や町会、行政と協力し、打ち水イベントなどを催しました。広場も用意。持続的な街づくりへ一般社団法人日比谷エリアマネジメントを組成しました。五輪に関連したスポーツイベントも開きます。

東京五輪・パラリンピックを控え、東京は世界から注目されます。おもてなしや伝統文化、都市景観など東京の魅力を世界中に実感してもらういい機会です。

20年とその先に向けた街づくりにも取り組みます。選手村開発や渋谷区の宮下公園整備事業、東京駅前複合開発です。官民で連携した人が主役の街づくりで東京の魅力を発信し、国際競争力の強化に貢献します。

菰田正信
1954年東京都生まれ。東大法卒。78年三井不動産入社。経営企画部長などを経て09年常務兼アセット運用部長、10年専務、11年から現職。

■ドローンも駆使、安全・安心を追求

セコム社長 中山泰男氏
セコムの中山社長

セコムは五輪に恩返しをしないといけません。前身の日本警備保障の創業は「水と安全はタダ」といわれていた1962年の7月。初年度の契約は1件のみでした。そんななか、前回の64年東京五輪の1年前、組織委員会から選手村の警備をしてほしいと1本の電話が入りました。様々なリスクもあるなかで受託を決意。警備の仕事が広く知られ、飛躍するきっかけになりました。

そして今年4月、2020年東京五輪・パラリンピックに向けて空前の規模の民間警備に挑むため、世界初の警備JV(共同企業体)を共同代表として設立しました。警備JVの成功なくして五輪の成功はありません。安全・安心を守りきって五輪に恩返しすべく、オールジャパンの体制で万全の準備を進めます。

思いを形にするための技術が背景にあります。人による巡回警備が売り上げの8割を占めていた70年に、センサーが異常を検知すると警備員が現場に向かって問題を解決する機械警備の推進に踏み出しました。人間と機械・技術を融合させ、人の力を増幅しました。あえて難路を選び、数多くの契約につながりました。

東京マラソンでは、沿道の仮設監視カメラや警備員の胸につけるウエアラブルカメラ、上空の気球から撮った画像を監視センターに集約し、リアルタイムに一元管理しました。人工知能(AI)による行動検知でコースに一般人が入るなどの予兆があれば未然に防ぐこともできます。

航空写真などの画像から3Dの立体地図も作れます。何回も現場に足を運ばずに警備計画を緻密に立てられ、要人がどこから狙撃されるリスクがあるかも確かめられます。警備の正確性と効率性を高める技術で、伊勢志摩サミットでも使われました。自律走行して爆発物を探知するロボットや、空港などで案内業務を担いながら急病人をAIで発見して対応するロボットも開発中です。

セコムのミッションはあらゆる不安のない社会の実現です。安全・安心に対するニーズは多様化しており、2030年を見据えて「あんしんプラットフォーム」構想を打ち出しました。事件・事故、サイバー犯罪、自然災害、病気・老化といったさまざまなリスクから命や健康、財産、情報を守ります。空からの警備では複数のドローンの自律飛行も目指しています。

未来都市・東京を安全・安心のブランドにするため、セコムとして大きく貢献したいです。

中山泰男
1952年大阪府生まれ。東大法卒。76年日本銀行入行。名古屋支店長、政策委員会室長など歴任。07年セコム入社。同年常務、10年総務本部長兼務、16年から現職。

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