こすらないで掃除を省力化 日用品の19年ヒット予測
日経トレンディ12月号で2019年の「ヒット予測100」を特集した。その中から今回は日用品のトレンドを紹介する。共働き世帯の増加を受けて、家事の時短や省力化につながる商品が続々登場する。掃除や洗浄は泡や超音波を使った「こすらない」方式がメインに。文具も、かゆい所に手が届くアイデア品や、機能性グッズが日の目を見る。
【ルックプラス バスタブクレンジング】
19年は風呂場の「ほったらかし洗浄」が主流になる。ライオンが18年9月下旬に発売した「ルックプラス バスタブクレンジング」は、浴槽全体に洗剤を吹きかけて放置し、1分後に流すだけで汚れが落ちるのが特徴。掃除の負荷を大幅に軽減する。
【SONIC SOAK】
世界各国のクラウドファンディング界を賑わせ続けているのが、超音波洗浄機。なかでも有望株が「SONIC SOAK」だ。重さ113グラムの小型クリーナーで、水中に入れると超音波が微細な泡を作り出し、それらがはじける力で汚れを落とすという。衣類から食器、食材にまで使える。
【新生LIP38°C】
18年内でFLOWFUSHIブランドを閉鎖すると発表した、化粧品業界の革命児・フローフシ。同ブランド最後となる商品が11月発売の、口紅の上に重ねて色の変化を楽しめるリップトリートメントだ。17年に発売した前作に続く大ヒットとなるに違いない。
【GLOO】
「貼る」ストレスを軽減する文具が19年の注目市場に。コクヨがnendoと共同開発した接着・粘着用品「GLOO」シリーズは、角まで塗りやすいスティックのりや、持つ角度を変えられるテープのりなど4種を展開。1月発売予定。
【柿の種のふりかけ専用器】
意外なコラボの調理器がSNS上で話題に。10月発売の「FURIKAKIX」(亀田製菓)は、亀田の柿の種でふりかけを作る器具。柿の種を入れてケースを回すと刃が内容物を砕き、ザクザクとした食感のふりかけになる。
【キッター】
「刃をプラスチックで覆い、けがのリスクを低減したカッターに業界が注目」(東京クラウン)。カッターを子供が自由かつ安全に使える「知育玩具」にすべく、オルファと博報堂関西支社が共同開発。刃折り器はスタンドにもなる。
【発毛「市場」促進】
ミノキシジルを使った発毛剤市場に複数メーカーが参戦する。ロート製薬は18年11月に「リグロ EX5」を発売。加美乃素本舗も「19年には参入したい」とする。成分量や効能はどれも同じとみられ、テレビCMなどでマーケティング合戦が繰り広げられそうだ。
「ストロー問題」で新素材にも注目集まる
使い捨てプラスチック製品の利用を控える流れが加速するなか、19年はプラ使用量を削減したボトルや、エコにつながる容器の需要が高まる。使い勝手が良く、環境に優しい商品が消費者の信頼や支持を獲得しそうだ。
【スマートホルダー】
詰め替えではなく「付け替え」。花王の「スマートホルダー」は、詰め替え用シリーズ「ラクラクecoパック」を背面からカチッとはめて使う容器。プラの使用量と詰め替えの手間を減らす。18年4月から同社サイト上で販売。19年春から一部店舗にも販路を広げる予定だ。
【ライメックス】
石灰石を主成分とし、紙やプラスチックの代替品を作れる新素材「ライメックス」。19年には使い捨て容器に加工したものがコンビニなどで使われるようになる。ストローも開発中で、マイクロプラスチック問題を背景に採用企業は増えそう。
[日経トレンディ2018年12月号の記事を再構成]
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