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狙撃は完璧 人の顔を見分けるテッポウウオ

日経ナショナル ジオグラフィック社

2018/12/2

ナショナルジオグラフィック日本版

テッポウウオの認識能力を調べた研究で、テッポウウオは人間の顔を識別できる能力があることが分かった。今回は、実験の様子を映像で実際に見ていただこう。

実験では、異なる人物を画面に表示し、特定の人間の顔に向かって水を噴射させられるかを調べた。映像は水槽を下から撮ったものだ。この研究結果は、学術誌「Animal Behaviour」2018年11月号で発表されている。

テッポウウオはマングローブに好んで生息する魚で、自然界では、水面より上にいる昆虫などに水を噴射し、水に落として食べる。今回、研究室では餌を使って、特定の人間の顔にテッポウウオが水を噴射できるように調教した。

「魚は短時間しかものを記憶できない、あるいは、ごく基本的な行動をこなせる程度の知能しかないと考えられてきました」。

こう語るのは、英オックスフォード大学の海洋生物学者で、今回の論文の筆頭著者であるケイト・ニューポート氏だ。「しかし、食物やパートナーを探す、捕食者から逃げるなどの基本的な行動に、ある程度の記憶力と知性が必要だと考えるほうが、しっくり来ます」

今回の研究では、訓練されたテッポウウオは、立体的に描かれた人物の顔を別の人物の顔と識別できることがわかった。しかも、同じ人物の顔を正面から横顔まで30°、60°、90°と回転させても認識できることが分かった。

とはいえ、回転角度が大きくなるほど識別精度は低下し、判断するまでに時間もかかるようになった。しかし、これは、人間や他の霊長類でも見られる傾向が見られることだと、ニューポート氏は言う。

テッポウウオと同様、ハトとミツバチも、角度によって見え方が変わる人間の顔を認識できることが示されている。人間の顔をどれほど認識するかは動物の種類や実験条件によって異なるが、こうした動物は、哺乳類がもつような大脳新皮質に頼らずに、見慣れない物体を識別できる。つまり、脳の大きさや形が認識能力を測る指標にならないことを示唆している。

「科学者にとっての大きな問題は、魚に知性があるかどうかではありません」とニューポート氏は言う。「問題は、彼らがより大きな脳をもつ動物と同じやり方で複雑な課題をこなしているのか、あるいは同様の課題をより単純に解決する方法をもっているのかという点にあります」

(日経ナショナル ジオグラフィック社)

[ナショナル ジオグラフィック 2018年10月22日付記事を再構成]

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