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子供の運動、部活だけじゃない 地域クラブが受け皿に 外部から指導者、学校の勝利至上主義と一線

2018/12/3 日本経済新聞 夕刊

学校の部活については加熱指導との指摘もある(写真はイメージ)=PIXTA

学校ではなく、地域でスポーツを学ぶ動きが少しずつ広がっている。学校の部活動にはない種目を選んだり、大人など幅広い年齢層と一緒に楽しんだりできるのが特徴。「総合型地域スポーツクラブ」と呼ばれ、将来の部活の受け皿としても期待を集める。初心者向けの楽しむクラスと、勝ちを目指す競技クラスを区別することで、スポーツ界を悩ます過熱指導やハラスメントも減る、との指摘もある。

11月初旬の午後5時。岩手県滝沢市の東部体育館で、市立滝沢第二中学校の硬式テニス部の練習が始まった。指導に当たるのは同市テニス協会の藤原治会長をはじめ経験豊富な外部指導者4人。15年前から地域で運営するチャグチャグスポーツクラブが指導している。部活の受け皿として総合型クラブが機能する先駆的な事例だ。

地域の中学生と小学生が一緒にテニスの練習をする(岩手県滝沢市のチャグチャグスポーツクラブ)

初心者向けのコートでは中学生の男子と一緒に小学5年生の女子2人もボレーの練習をする。「レベルに合わせて指導者も分けている」(藤原さん)。中2の息子と小5の娘を通わせている井上真理さんは「小学生の時から一貫して経験のある方に指導してもらえるので安心」と子供たちを見守る。

滝沢二中で校外活動を担当する太田英樹教諭は「先生と生徒の上下関係が明確な部活は勝利至上主義に陥りがち」と指摘する。「外部の指導者が教える総合型クラブだと、体罰などの問題は起きにくい」

同クラブを運営する滝沢市体育協会の斉藤肇事務局次長は、総合型クラブの先進国であるドイツで研修した経験を持つ。「ドイツの学校には部活がない。日本のクラブも地域住民や保護者とともに協調性や社会性を育む目的を掲げれば、暴力などハラスメントはなくなると思う」と話す。

同クラブは別の中学のラグビー部や卓球部など計5種目の部活の一部も指導する。部活にない種目を選んだ場合も部活動として認めるなど、学校との連携が進む。

総合型地域スポーツクラブは、行政と連携しながら地域住民が自主的な運営をする非営利の組織。この10年で1.7倍に増え、2017年度には3406に達した。背景には教員や生徒の過剰な「部活熱」もある。経済協力開発機構(OECD)が34カ国・地域の中学教員に実施した13年の調査によると、日本の教員が課外活動に費やす時間は週7.7時間と平均の3.6倍に達した。当然、子供の活動時間も長い。

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