手帳とデジタル二刀流 予定・TODO活用で理想実現
今、紙の手帳とデジタルツールを両方活用する「W使い」の人が増えています。スケジュールやTODOをどのように連携させて効果を上げているのか、達人に活用術を聞きました。
デジタルの「やるべきこと」リストを毎朝、手帳に落とし込みます
整理収納アドバイザーの七尾亜紀子さんは、タスクはデジタルのみ、スケジュールはデジタル×アナログのW使いで管理中。「デジタル上の『やりたいこと=タスク』を『やるべきこと=予定』として手帳に落とし込むことで、理想を確実に実行できます」。
夫は単身赴任中。そのため、家事や育児を「ワンオペ」中。しかし、部屋も暮らしも美しい! でも、「もともとは片づけは苦手(笑)。手帳とデジタルを使い、頑張ってつくった理想の暮らしをキープしています」。
今年の7月、15年間勤めた企業を退職し、独立した。「辞めてすぐの頃、紙の手帳を書かなくなったら、生産性が落ちてしまいました。そこで、手帳を復活。1日の予定と優先順位を確認することで、時間を有効に使えるようになりました」。
〈デジタル×アナログ〉デジタル→手帳で1日の時間のムダをなくす
カレンダーアプリから、朝「今日の予定」を手帳に転記するのは、1日の空き時間を把握するため。その空き時間に、タスクをスケジューリングするのがコツ。
【Step1>>カレンダーアプリ】アプリに予定を入力する
打ち合わせや締め切りなどの仕事の予定から、子供の学校行事や習い事などのプライベートの予定まで、すべてをカレンダーアプリに。「外出先でも入力や変更ができます」。
カレンダー&システム手帳アプリ『ジョルテ』の無料コース。「予定に付随できるリマインド機能のアラームは、忘れ物防止に役立てています」。
【Step2>>手帳】毎朝「タイムスケジュール」を作成する
カレンダーアプリから「今日の予定」を手帳の時間軸に転記し、空き時間を把握。この空き時間部分にエバーノートで管理している「今週のTO DO」を優先順位の高い順に予定化していく。
1日が時間軸になった手帳に、朝、予定を書き込むだけでなく、「やりたいこと」も時間を決めて書くことで、実行力がアップする。
〈デジタル〉タスクは「エバーノート」で一元管理!
目標や理想を実現するためのステップやタスク検討に欠かせないのが、インターネットでの「情報収集」。「情報収集から情報管理までを一元化できるので、タスク管理は紙よりもデジタルで行うのが便利」。
【Step1>>中長期TO DO】「やりたいこと」をリスト化する
頭の隅に漠然とある「やりたいこと」「改善したいこと」をタイトルにする。次に、その目標を実現するために踏むべき手順を「30分で済みそうな作業」に細分化して列挙する。
取りかかりのハードルを下げるため、1つのタスクを「30分で済みそうな作業」に細分化。「チェックボックスをつけると達成感が増し、やる気が出ます」。
【Step2>>短期TO DO】「やりたいこと」リストから今週「やるべきこと」のTO DOリストに振り分ける
週の初めに作成する今週「やるべきこと」リスト。前述の「やりたいこと」リストで項目化したものを、今週「やるべきこと」のTO DOリストへと振り分ける。「実行率が上がるコツは欲張らないこと」。
■メリット1 リンクが張れるから情報まで一元化できる
「例えば照明を変えたい、いろいろな場所に出かけたいなどの目標を立てた場合、購入先や行き先候補などをリンクで張っておけるので情報が迷子になりません」
■メリット2 画像として残しておけるからモノ(紙)が増えない
「目標達成のために参考にした本や雑誌の気になる箇所も、スマホで撮影して画像としてストック。スクラップファイルが増えないので、部屋も汚れず一石二鳥」
■メリット3 外出先でモバイルからも必要情報にアクセスできる
「パソコンとスマホを同期すれば、外出先でもリストや画像を確認できるだけでなく、移動中などのすきま時間に思いついたことを入力できるので便利です」
銀行口座やクレカと連動できる 家計簿アプリでレシートの取り込みは月末にまとめて
「家計管理は『マネーフォワード』で。単身赴任中の夫は固定費を、私は変動費を負担して夫婦別会計に。レシートを撮影するだけなので、ズボラな私でも続いています」
家での「やらなきゃ/買わなきゃ」は超アナログ!
毎日の献立や調味料などのストック品は、100円均一のホワイトボードにお手製マグネットで一覧化。作業しながらチェックしやすいキッチンの冷蔵庫に貼ってある。
仕事はアナログの手帳、プライベートはアプリで完全分離しています
手帳メーカーで働く鞍留佳代子さんは、仕事の予定はアナログ、プライベートはデジタルと分けて管理。「ONとOFFを切り替えたくて、仕事とプライベートそれぞれのシーンで使いやすいツールを選びました」。
プライベートで使用するカレンダーアプリは2種類。それぞれ別の役割を持たせている。「1つには、趣味のトライアスロンのために通っている3つのスクールのレッスン日を入力。通えるか通えないかは考えず、2カ月先までのレッスンをすべて入力。通えるレッスンを可視化するのが目的です」。仕事の手帳とレッスンカレンダーを付き合わせ、プライベートの予定を立てるのがもう一方のアプリ。「この方法にしてからレッスンに通える日が増え、プライベートがより充実しています」。
〈アナログ〉仕事のスケジュールとタスクは分けて記入し管理しやすく
予定通りにいかないことを加味して、社内会議や社外打ち合わせなど人とのアポイントと、個人の作業タスクは別の場所に書いて管理。
相手の予定により、いつ入るか分からない仕事は付箋に書いて可動式にしておく。その週に予定に入らなければ、次の週に貼り替える。
使っているのはダイゴー「アポイントステーショナリーダイアリー」。「私がデザインした手帳。方眼のメモ欄を広く取るなど、工夫しました」。
〈デジタル〉複数通うスクールの予定を2つのカレンダーアプリで管理
スクールのカレンダーと、実際にプライベートの予定を組み立てるカレンダーを分けることで、段階的にスケジュールを管理できる。
【Step1>>カレンダーアプリ】通えるかどうかは考えず、すべてのレッスン日時を入力
使っているのはクラウド型電子手帳「Lifebear」。「トライアスロン仲間ともカレンダーを共有できます」。
なるべくたくさんスクールに通いたい鞍留さん。そのため、すべてのスクールのレッスンを可視化して、検討できるようにしている。
【Step2>>カレンダーアプリ】「仕事の手帳」と「スクールの予定」を並べ、プライベートのスケジュールを作成
使っているのは「Yahoo!カレンダー」。「アイコンがつけられるので、パッと見も分かりやすくて気に入っています」。
(ライター 宇佐見明日香、写真 佐藤和恵=七尾さん、矢作常明=鞍留さん)
[日経ウーマン 2018年11月号の記事を再構成]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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