1人焼き肉に熟成魚… 食品・外食の19年ヒット予測
日経トレンディ12月号で2019年の「ヒット予測100」を特集した。その中から今回は食品と外食の分野のトレンドを紹介する。熟成肉、クラフトジン……。トレンドの移り変わりが激しい食品業界では、今のブームを発展させた「ネクスト」が次々に出てくる。SNS映えやビーガン、「ソロ活」といった社会現象も反映。海外の流行も続々と上陸の兆しを見せている。
【しょうがギョーザ】
冷凍ギョーザ売り上げ首位の味の素冷凍食品が、新フレーバー「しょうがギョーザ」を8月から発売。ニンニクを使わないことで食べるシーンを広げる。「店舗からの引き合いが強く、従来の商品と並べて置く店も多い。倍とはいわないまでも、売り上げが一段と伸長しそう」(日本アクセス)。
【チーズティー】
中国発のチーズティー専門店「FORTUNER tea-box」が8月、東京・原宿に初上陸し、行列を作った。鉄観音茶やフルーツ味などのベースドリンクの上にチーズフォームを載せた斬新な飲み物が、新たなSNS映えを生む。19年は店舗拡大も見込める。
【ハッピーポテチ】
カルビーとドン・キホーテが共同開発したドンキ限定商品「ハッピーポテトチップス-至福のひととき味-」は、あえて何の味かわからないパッケージでサプライズ需要を狙う。累計27万袋を記録した前作に続きそうだ。
【自販機スープ】
サントリーは今秋、「BOSS」ブランドからスープシリーズ「ビストロボス」2種を発売。伊藤園も缶入りの「とん汁」を発売する。コンビニが遠い高層ビルのオフィスが増え、自販機で買えて小腹を満たせるフード系飲料が重宝される。
【蜂蜜のお酒「ミード」】
世界最古の酒ともいわれるミードは、飲みやすい蜂蜜の醸造酒。「ヨーロッパではポピュラー。日本でも蜂蜜がトレンドで、酒にも波及しそう」(伊藤忠食品)。蜂蜜専門店などでは急激に取り扱いが拡大しており、成城石井などでも販売が始まったという。
【現代版「町の八百屋」】
青果店ベンチャーの「旬八青果店」に三井物産が出資。20年に50店舗達成を目指すという。産地直送の野菜を使ったスムージーなどを提供する他、オフィス街向けには弁当も用意。新業態のレストランをオープンするなど今後の展開にも期待だ。
【Good for Vegans】
「塩こん部長」のキャラクターが有名なくらこんが、ビーガン向け商品を4月から発売。「サラダこんぶ」などの昆布製品に加え、「大豆ミート」などをそろえる。「東京五輪などの需要も見据えている」(日本アクセス)。
【レシピ動画EC】
レシピ動画サービス「DELISH KITCHEN」(エブリー)は18年4月、生鮮食品EC「Amazonフレッシュ」と連係。レシピで必要な食材をまとめて注文できるサービスを始めた。今後は対応するネットスーパーなどを拡大していく計画で、利用者が増えそうだ。また、「クラシル」を運営するdelyはヤフーの傘下に入り、食品ECとの連係を進めるとみられる。
【熟成魚】
宮崎県の水産会社で働く津本光弘氏が考案した「津本式究極の血抜き」は、魚の酸化を防ぎ、血合いまでピンク色のまま熟成させることができる。「津本式を習得して料理を提供する店舗が増加。熟成肉に代わり、熟成魚もトレンドに」(ぐるなび)。
【液体ミルク】
欧州で利用されている乳幼児用液体ミルクが、日本でも8月に販売解禁した。常温保存ができ、開封してそのまま飲ませられる。日本企業はまだ参入を明確にしていないが、「災害時などニーズは確実にある。1社でも参入すれば、市場が盛り上がるだろう」(イオン)。
【ネクスト機能性グミ】
個包装の全6粒で、一般的なウコンドリンク1本分の役割を3粒で果たすという新タイプのグミ。「人前でウコンドリンクを飲むのは恥ずかしいという女性を狙い、グミで手軽な摂取を提案する」(三菱食品)。
【ピザータラ】
魚肉シートとチーズでできた「チータラ」がピザ生地の代わり、サラミが具となるドン・キホーテのPB製品「ピザータラ」。糖質オフダイエット中の人に受けそうだ。「トースターで焼いて食べるのがお勧め」(ドン・キホーテ)。
【ソロ焼き肉】
1人用の無煙ロースターで、量などを指定して好きなように焼き肉を楽しめる一人焼き肉専門店の「焼肉ライク」が8月にオープン。「一人が気楽で楽しいという『ポジティブぼっち』が増えている」(三菱食品)。一人客向けの他業態にも注目だ。
[日経トレンディ2018年12月号の記事を再構成]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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