プロジェクターになる照明 検索増でヒットの兆し
分析に当たっては、インターネット行動データ分析サービスを提供するヴァリューズ(東京・港)からデータ提供を受けた。同社は、国内25万人規模のユーザーパネルを保有し、Web利用動向データを基にネット行動分析サービスを提供している。
検索者数が増えているワードを抽出するに当たり、例えば「ハロウィーン」など季節性の高いワードや、最終回に向けて検索数が増えやすいテレビドラマなどエンターテインメント関連のワードは排除した。
事件・事故やイベント関連ワードが検索増加の上位に並ぶなか、編集部が注目したのが、月平均上昇率が63%で28位にランクインしたスマートライト「popIn Aladdin」。天井に設置するシーリングライト、プロジェクター、スピーカーの3機能を一体化した、世界初という3in1スマートライトだ。
「アラジン、電気つけて」と音声操作
一般的な家庭の天井にある引掛シーリング(シーリングライト用のコンセント)があれば、追加工事も電源ケーブルも不要で天井に設置が可能。スクリーン不要で寝室の壁一面に高画質の映像を投影できる。引掛シーリングから壁面までの距離が、約1メートルで40インチ、約1.3メートルで50インチ、約2メートルで80インチ、約3メートルで120インチの画面サイズになる。ライトは3800ルーメンのLEDライトで、光を昼光色や昼白色などに調色する機能があり、8畳までの寝室リモコンか専用アプリから変更できる他、「アラジン、電気つけて(消して)」と音声操作にも対応している。
実勢価格 7万9800円
プロジェクターとしてのスペック
投写方式/単板DLP方式
明るさ/700 ANSI ルーメン
解像度/WXGA(1280x800)
実用音声最大出力/5W+5W
対応している動画系アプリは、「YouTube」「AbemaTV」「TED」「Spotify」などの動画、音楽系。眠りを誘う癒やし系ミュージックや、設定した起床時刻に快適な目覚めを演出する風景映像、天気予報・ニュース配信などを取りそろえている。子供のいる世帯が寝室で利用するシーンを想定して、世界の絵本や等身大動物図鑑、学習ポスターなどキッズ向けコンテンツも豊富だ。
17年10月の「CEATEC JAPAN 2017」で試作機を初公開し、クリエイターがプロジェクト資金を募ることができる「Kickstarter」や「Makuake」などのクラウドファンディングプラットフォームで計9000万円以上の支援金を獲得した。予約販売は4000台を超え、18年10月からビックカメラ、ヤマダ電機、ヨドバシカメラの一部店舗および各社ECサイトでも販売が始まった。この他、東京・二子玉川の蔦屋家電で体験イベントを開催、サンシャインシティプリンスホテルや銀座のスーパーホテルにテスト設置されるなど、話題を集めている。
高所得世帯が注目
ヴァリューズの競合サイト分析ツール「VALUES eMark+」を利用して「popIn Aladdin」の検索者属性推計を調べたところ、男性が8割を超え、年代は30代だけで6割に迫る。世帯年収は過半数が600万円以上で、3人に1人が同900万円以上と高めである。4人に3人は既婚者だが、子供がいる世帯はその半分で、子供のためだけの購入ではないことがうかがえる。
今後、ガジェット好きな層からの購入体験クチコミが増えると、さらに検索数も上がって人気製品になりそうだ。
(日経クロストレンド 小林直樹)
[日経クロストレンド 2018年11月7日の記事を再構成]
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