「どういうこと?」が「意味ないね」に theは難しい
デイビッド・セイン「間違えやすい英語」(45)point
言葉の使い方を間違えて相手に誤解されてしまった。そんな体験はどなたにもあると思います。日本人向けの英語教育で豊富な経験を持つデイビッド・セインさんが、日本人が間違えやすい英語の使い方を解説します。今回は、相手に要点は何かを尋ねる時の言い方についてお話ししていきます。単語のちょっとした違いで伝わる意味が全く変わってしまうので注意が必要です。
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勉強するときはいつも完全を目指す。しかし会話をするときは通じることを目指す。これが英会話には必要なポイントです。相手を前にして英語を話すときは、完璧な英語でなくても構いません。間違いがあってもいいのです。フレンドリーに笑顔で話せば、不完全さは補われます。間違いを恐れず英語を話しましょう。そして勉強するときは完全を目指しましょう。
ナンシーが取引先への返事を一任され、どうしていいのかヒロシに相談してきました。ナンシーも受けた方がいいのか、断った方がいいのか迷ったまま話しているため、言っていることが少し支離滅裂。なので要点を整理してもらおうと「何が言いたいの?」と言ったつもりが、意外な反応。急にヒロシの意見に反対だ、と言い出しました。どの言い方が誤解を生んだのか見ていきましょう。
それはこんな会話でした。
Hiroshi: What's the point?
Nancy: No, I disagree! We can't give up!
Hiroshi: I know... but... ?
ヒロシは期せずしてこう言ったことになります。
ヒロシ:何をしても無駄だよ。
ナンシー:いいえ、私はそうは思わないわ! 諦めちゃダメよ!
ヒロシ:いや、それはわかってるけど。
What's the point (of...) は、「それをすることにどういう意味があるの?」つまり「そんなことしても意味ないよ」という意味で使うフレーズになります。What is the point of discussing this problem in the meeting?(この問題を会議で話し合う意味ある?)のように、相手の行動に対して否定的であることを伝える時に使います。会話だと、
A: I want to go to the pet shop. ペットショップに行きたいな。
B: What's the point? We aren't allowed to keep animals in our apartment. 何のために? うちのアパートは動物は飼えないじゃないか。
A: I just want to look at the cats. ただ猫が見たいの。
では、どう言えばよかったのでしょうか?