自分に合うUSBメモリーを選ぼう 失敗しない3条件
データの持ち運びなどでおなじみのUSBメモリー。自分に合った1本を選び出すのは至難の業だ。例えば価格比較サイトの「価格.com」に掲載されている製品は1600点以上(10月中旬時点)。安さや「高速」といった宣伝文句に釣られて選んでしまうと、実際にはコピーが遅かったり、その割に価格が高かったりして必ず後悔する。いかに安くて速い製品を見つけるかがカギだ。
製品選びで失敗しないためのポイントを3つ紹介しよう。1つめは容量と価格だ。低価格化が進むUSBメモリーは200円台から買える。しかし、格安品は8ギガ程度と小容量で、容量当たりの単価も割高。今買うなら、最安価格が800円を切る32ギガ製品に値ごろ感がある。容量単価では64ギガと128ギガの製品もお買い得だ。
2つめのポイントはUSB端子の規格。現行製品では2.0、3.0、3.1(Gen1)が混在している。最近のパソコンは3.0対応なので、USBメモリーも3.0か3.1で決まり。端子の内側の青色が目印だ。最近は3.1対応製品も増えているが、速さは3.0製品と変わらない。
3つめは使い勝手を左右する仕様。さまざまな形状や独自機能を備えた製品があり、例えばパソコンに挿しっぱなしにするなら、指先大の小型モデルが最適。スマホでも使えるデュアル端子タイプも増加中だ。
必ず3.0/3.1を選ぶべし、スマホでも使えるデュアルも
前述のように、USBメモリーの規格は2.0と3.0/3.1の2系統。同じ容量なら前者のほうが安いが、速度は圧倒的に後者が上だ。同一シリーズの製品で測ってみると速度差は歴然で、3.0/3.1のほうが約2~5倍も速い結果となった。わずかな差額をケチらないのが正解だ。
USB3.0と3.1(Gen1)は規格上の速度は同じだが、本当に変わらないのだろうか。3.1(Gen1)対応のUSBメモリーをパソコン側の3.0端子と3.1端子に挿したところ、速度は横並びだった。ただ、新しい製品は3.1対応をうたうことが多いので、発売時期の目安にはなる。なお、USBメモリーは大容量になるほど速度が速い傾向がある。容量で迷ったら、大容量のモデルを選ぶのも手だ。
図でもわかるように、USBの規格が同じでも製品によって速度に違いが出る。これはUSBメモリー内部のフラッシュメモリーとコントローラーの性能の差だ。製品によってはパッケージに速度が記載されているものの、これはたいてい大量データの連続読み出し(シーケンシャルリード)の速度だ。遅さを感じるのは主に書き込み時なので、性能を知るには不十分といえる。
価格や性能だけでなく、使い勝手がアップする仕様もチェックしたい。例えば、スマホやノートパソコンで増えつつあるタイプC端子も備えたデュアル端子製品だ。さらに、アンドロイド向けのマイクロB端子やiOS端末向けのライトニング端子を搭載した製品もある(製品によっては端子の変換コネクターが付属する)。
USB端子の格納方式も意外に重要。キャップ方式は外したときになくしやすいので、反対側に装着できるタイプがお薦めだ。そのほか、端子部を本体内から押し出すスライド式やノック式、端子をカバーで保護する回転式もある。好みのタイプを選ぼう。
データの読み書きの状況が把握できるLEDは、「書き込み中にうっかり抜いてデータ破損」を防ぐためにも、付いていると便利。大事なデータを保存するなら、暗号化などのセキュリティー機能を備えた製品を選べば安心だ。
[日経PC21 2018年12月号掲載記事を再構成]
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