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新しい応援 ふるさと納税にクラウドファンディング型

2018/11/20

クラウドファンディング型は具体的なプロジェクトごとに資金を募る(ふるさとチョイスのウェブに掲載された広島県神石高原町のプロジェクト)

地域の課題解決に役立つ寄付の仕方として「クラウドファンディング型ふるさと納税」という方法があると聞きました。通常のふるさと納税やクラウドファンディングとはどのような点が異なるのでしょうか。

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「介護の質向上を目指し介護ロボットやICT(情報通信技術)を導入する介護施設に助成したい」(東京都世田谷区)、「築後124年が経過した道後温泉本館の保存修理工事をしたい」(愛媛県松山市)など、地域の課題を解決するために具体的な使い道を掲げて自治体が寄付を募るのが「クラウドファンディング型ふるさと納税」だ。

通常のふるさと納税でも「子育て支援」や「環境保護」など、寄付金の大まかな使い道を指定できるが、クラウドファンディング型は特定のプロジェクトに対して寄付をする。目的に応じて期間や金額を定め、インターネットを通じて個人から小口資金を集める仕組みは「クラウドファンディング」と同じだ。

ただし、寄付先が自治体なので、資金が目標金額に達しなかったからといって返金されることはない。期間を延長したり不足分を追加募集したり、規模を縮小したりしながらプロジェクトを継続させるのが一般的だ。ただ、中にはNPOなどが運営するプロジェクトもあるので、目標を達成しなかった場合の扱いについては確認してみよう。

先行したのはふるさと納税サイト運営のトラストバンク(東京・目黒)。2013年9月に「ガバメントクラウドファンディング」(GCF)という名称で受け付けを始めた。同業では18年4月にアイモバイルが「ふるなびクラウドファンディング」、5月にはソフトバンク系のさとふるが「さとふるクラウドファンディング」の名称で同じ仕組みを提供している。

各社が運営するサイトを通じ、提示してある使い道から寄付先の自治体を選んで寄付をする。クラウドファンディングサイトの運営会社が運営しているサイトで募る例もある。

クラウドファンディング型ふるさと納税が注目されるようになったのは、過度な返礼品競争で通常のふるさと納税への批判が高まったことが一因だ。実質2000円の自己負担で名産品や特産品などを受け取れる返礼品目当てで寄付先を選ぶのが主流の通常のふるさと納税よりも、自治体の応援という、ふるさと納税制度の本来の趣旨に合っているとの指摘もある。

ふるさと納税の枠組みを使って自治体に寄付することにより、「ワンストップ特例制度」を利用できるのも利点だ。寄付先が5つの自治体以内なら、確定申告をすることなく寄付金控除を受けることができる。ただし、通常のふるさと納税と合わせて6つ以上の自治体に寄付するなら、確定申告が必要になる。

[日本経済新聞朝刊2018年11月17日付]

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