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怒りにまかせて叱責すれば、その言葉は相手に届かないかもしれない。写真はイメージ=PIXTA

怒りにまかせて叱責すれば、その言葉は相手に届かないかもしれない。写真はイメージ=PIXTA

ついカッとして部下を怒鳴ってしまった――。怒りにまかせた振る舞いは職場をざわつかせ、人間関係を壊しがちだ。日本でも「アンガーマネジメント」という言葉が広まってきたが、怒りを抑え込んで我慢するノウハウと誤解されている節もある。「アンガーマネジメント 品質管理は心の管理」(総合科学出版)を書いた正木忠氏は「怒りを我慢し、ため込むのがアンガーマネジメントの目的ではない」と説く。怒りと上手につきあう方法を聞いた。

「爆発」は防止、でも怒りは…

アンガーマネジメントとは、怒りの感情に振り回されず、適切に行動するための心理トレーニングだ。1970年代以降、米国から広がった。なかでも比較的知られているのが「6秒ルール」だ。怒りの感情は6秒でピークに達し、減衰していくという。その間、とりあえずは爆発しないようにし、本当に怒るべきことと、それほどでもないことを見極めれば、不必要な怒りをまき散らさずに済むというわけだ。正木氏は「怒ること自体は悪いことではない。正しく怒れるようにするのもアンガーマネジメントの柱」という。

正木忠氏

正木忠氏

感情にまかせ、失敗した部下を怒鳴るようなケースは「正しい怒り」とはいえないだろう。パワーハラスメントとみなされかねず、人間関係はぎくしゃくし、リーダーとして得た信頼も揺らぎそうだ。正木氏は「上司が『どう叱ってやろうか』と考える段階で、すでに道を誤っている。優先すべきなのは問題解決であり、叱責ではない」と強調する。

怒りが新たな怒りを呼ぶこともある。失態をなじる上司に、反論を試みても「言い訳をするな」とやり込められる。弁明を封じられた部下が怒りを募らせるという構図だ。強く叱られた部下は、被害感情に支配され、どんな指導も受け入れにくくなり、改善提案にまで頭が回らなくなってしまう。

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