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2020年から見える未来

紙巻き撤退、日本が試金石 フィリップ・モリスの本気 加熱式で新製品、投資を集中

2018/12/11 日経産業新聞

PMIは加熱式たばこの新製品を投入した(10月23日、都内の記者会見でポーズをとるカランザポラスCEO)=ロイター

米フィリップ・モリス・インターナショナル(PMI)が日本市場をてこ入れする。11月15日に加熱式たばこ「IQOS(アイコス)」で新製品を投入し、初めて大幅に機能やデザインを刷新した。将来は紙巻きたばこからの撤退を明言するPMI。市場の急成長に陰りも見える中、健康リスク低減をうたい次世代たばこへの切り替えを促す壮大な世界戦略の礎を築けるかが問われる。

PMIが売り出した新型の加熱式たばこ
将来の紙巻き撤退を明言しているが…(米ノースカロライナ州)=AP

PMIは2016年4月、競合に先駆け加熱式たばこを初めて全国展開し市場シェアを一気に獲得した。ただその後は日本たばこ産業(JT)の「プルーム・テック」、英ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)の「グロー」も普及し競争は激化。足元でシェアを奪われているとの推計もある。

今回の新製品はこうした逆風下での投入だ。アイコスは吸い応えが紙巻きたばこに近いという評価もある一方、競合する製品で唯一連続喫煙の機能がなかった。新製品では加熱部分とバッテリーを一体にして10本程度まで連続で吸える製品も初めて売り出す。デザイン性を高めて新規利用者にアピールしつつ、弱点を補う形だ。

PMIが加熱式に注力するのは将来的な紙巻きたばこからの撤退という戦略を見すえるため。大手たばこメーカーでこうした方針を明言するのは同社のみだ。世界でたばこ規制が厳しさを増す中、紙巻きと比べて健康リスクが低いとうたわれる次世代たばこへの切り替えを促す。

アイコスは世界約40カ国で販売されているが、日本での利用者数は約540万人。PMIのアンドレ・カランザポラス最高経営責任者(CEO)は「ほかの全ての国の利用者を足した数より多い」と指摘する。

次世代たばこには加熱式だけでなく、ニコチン入りの液体を気化させて吸う電子たばこなどもある。日本での販売が実質的に認められていないこうした商品が海外で普及するなどの事情があるとはいえ、PMIにとって日本が今後の世界戦略を占う重要市場なのは変わらない。

■喫煙規制も加熱式に逆風

次世代たばこへの切り替えを積極的に促すまでしないものの、事業に力を入れるのはJTやBATも同じだ。JTは19年3月までに、吸い応えを強化した新製品2種類を発売する。こちらもプルーム・テックの展開後初めての大幅刷新で、アイコスやグローと同様に葉タバコを高温で加熱するタイプも売り出す。

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