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キャリアの原点

不動産バブル超え介護の道へ オリックス系社長の原点 オリックス・リビング社長 森川悦明氏(上)

2018/11/20

オリックス・リビングの森川悦明社長(東京都江東区の有料老人ホーム「グッドタイムリビング亀戸」で)

世界の先頭を切って高齢化が進む日本。オリックス・リビング(東京・港)は「暮らし重視の高齢者向け住宅を」をモットーに、老人ホームと街づくりを一体的に進めるプロジェクトや、ロボット技術やIT(情報技術)を活用した介護支援機器の開発などを次々と提案してきた。同社のスタートから陣頭指揮をとるのが、社長の森川悦明氏(59)だ。「介護は素人だった」と言ってはばからない森川社長の原点は、バブルの絶頂と崩壊を間近に見ながら不動産業界で奮闘した日々にある。

■2000年代初めから老人ホームと街づくりを一体化

東京駅からJR総武線で10分ほどの亀戸。下町の風情が残る街に、ひときわ目立つ大規模マンションがそびえる。保育園や学童保育が併設された一角に有料老人ホーム「グッドタイムリビング亀戸」はある。

2009年に開業した。15階建てのマンションの2階から5階に入居しており、ここで約100人が専門的なケアを受けながら暮らしている。「となりの保育園や学童の子供たちも、遊びに来てくれますよ」。森川氏は笑顔を見せる。

オリックス・リビングは高齢者向け住宅事業に参入した2003年当初から、マンションや一戸建ての住宅地との複合開発を進めてきた。現在、関東圏に17施設、関西圏に15施設を展開するが、その多くがマンションなどの複合開発プロジェクトの中にある。

「年をとって介護が必要になっても、街の人と触れ合って暮らせるような老人ホームを提供したい」。森川氏の一貫した考え方だ。シニア向け賃貸住宅と有料老人ホームを併設した施設も展開する。賃貸住宅には自立したシニアが入居するが、介護が必要になったときには併設の老人ホームにすぐに入居できる。

暮らしを重視する人たちの需要を捉え、各施設は軒並み高い入居率となっている。今でこそ、同様の考え方で開発されたプロジェクトは増えているが、オリックス・リビングは先駆けだったといえるだろう。

「制度を追いかけるな」。森川氏は常にこう考えて時代の波を読んできた。

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