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入ってすぐの平台正面に陳列する(八重洲ブックセンター本店)

入ってすぐの平台正面に陳列する(八重洲ブックセンター本店)

ビジネス街の書店をめぐりながら、その時々のその街の売れ筋本をウオッチしていくシリーズ。今回は定点観測している八重洲ブックセンター本店だ。勢いのある新刊が乏しく、売れ筋上位には周辺企業から法人需要が入った本や店内で開く著者イベントに関係した本などが並ぶ。そんな中、書店員が注目したのは、気鋭のメディアアーティストが元東京都知事の作家と組んで、東京五輪後30年のビジョンを生み出す思考法を問いかけた一冊だった。

未来に向けて日本の近代を学び直す

その本は落合陽一・猪瀬直樹『ニッポン2021-2050』(KADOKAWA)。落合氏はメディアアーティストとして活躍する一方、筑波大学学長補佐や起業家として未来に向けた様々なプロジェクトや言論活動を展開している。そんな落合氏がいま気がかりなのは、東京五輪後の2021年からの日本のビジョンだ。そこを考えるためには、「日本の近代とは何かを学び直す必要性」を強く感じていると落合氏は言う。そこで「この人から学びたい」と思ったのが猪瀬直樹氏だったという。作家として日本の近代を問い直す一方、都知事などとして問い直した結果を社会に実装する行動をとったところに落合氏が共感したようだ。

本は2人が往復書簡のようにほぼ交互に断章を書き継いでいくスタイルで進行する。いまの日本は課題が山積しているという話を落合氏が書けば、地方を肌感覚で知らなければ日本のビジョンは描けないという話を副知事、都知事時代の経験に即して猪瀬氏が語る。そこに今度は落合氏がテクノロジーの話をかぶせて、テクノロジーが都市と地方をつなぐというビジョンを示していくという具合だ。

こんな調子でまずは総論的な人口減少や産業構造について、さらには統治構造や人材について、2人はそれぞれに議論を発展させ、2021~2050年という表題に示した未来へ向けた論点を整理する。

風景論から広がる論点

とりわけ議論が広がりを見せるのは、社会課題とは一見関係性の見えにくい風景を巡っての議論だ。

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