検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

NIKKEI Primeについて

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

/

30歳で空前のモテ期 彼女の手にある未来の選択肢

アラサー女子 素顔のライフストーリー[美佐さん(仮名)・後編]

詳しくはこちら

NIKKEI STYLE

「この2年間ほどモテ期が続いています。でも、いろいろな男性と会ったけれど最終的に誰とも一緒にはなれなかったという結果にはしたくありません」

東海地方にある大学で正規の職員として働いている美佐さん(仮名、30歳)の話を聞いている。名古屋市内での一人暮らしの部屋を大いに気に入っている美佐さん。実家にいる両親と兄との関係も「それぞれと個別にご飯に行くぐらい」良好だ。自分も両親のように温かい家庭をつくりたい。

「子どもはいてもいなくてもどちらでも構いません。相手次第、ですね。家事や育児に協力してくれる人ならばいてもいいし、協力が難しいなら子どもはいりません。とにかくダンナさんという一番身近な他人を大事にしながら生活したいです。結婚は大変なこともあると思いますが、それを上回る面白さがあるような気がします。シェアハウスで暮らしていたこともあるので、人と一緒に住むことに抵抗はありません」

煮え切らない関係の「本命」の彼

タイミングよく美佐さんにモテ期が訪れた。どんな状況かといえば、食事や買い物に誘ってくれる同世代の独身男性が常に5人ほどいるのだ。幼なじみ、シェアハウス仲間、飲み仲間、婚活アプリを使っていた時期に知り合った男性、などである。

美佐さんにとって本命なのにあいまいな関係が続いているのが、会社員の智宏さん(仮名、33歳)だ。1年前、婚活アプリを通じて知り合って以来、月1ペースで会っている。体の関係もたまにあるが、「付き合おう」「結婚しよう」といった言葉は出てこない。

「彼は実家暮らしです。仕事が忙しいと言われて会えないこともあります。私のことは好きじゃないのに断ち切りにくいだけなのでは? と思って聞いてみたら、『そうじゃない』と言ってくれました。彼は心が動きにくいけれど、次に付き合う人とは結婚したいし、私のことも好きになりかけているそうです」

1年間も男女として会い続けた末の言葉である。部外者としてはやや驚きなのだが、美佐さんにとっては智宏さんのじれったさも魅力なのかもしれない。

「私たちはお互いに愛情表現が苦手なんです。今まで一度も彼から『かわいいね』と言ってもらったことがありません。彼が私の部屋にいて一緒にテレビを見ているときは、スキンシップをしたいなと思います。でも、私から抱きついたりはできません。次に会う日を約束したいけれど『明日は何するの?』『家でゴロゴロする』『ふーん』という会話が続くだけで、『会いたい』とは言えないんです」

「恋愛感情はない」ロマンチックとは程遠いプロポーズ

美佐さんによれば、智宏さんは真面目で慎重すぎる。デートでは車で女性を送り迎えしなければならないと思い込んでおり、2人は同じ愛知県民にもかかわらず、結婚したらどちらの実家の近くに住むべきかに悩んでいる。そんな彼のどこか好きなのかといえば、美佐さんはもう全体的に好きなのだ。

「電話をしていて、彼が他の何かに気が向いているのが分かるときがあります。『今、ソワソワしているでしょ』と私が指摘すると、彼は図星だと言って喜ぶんです。その様子がすごくかわいくて、いとおしいなと思います」

外野からはよく分からないかわいさである。しかし、そういう細やかな気持ちのやりとりは、少なくともちゃんと交際をしてから楽しむようにしたらどうなのだろうか。

「そうですよね。でも、彼はちゃんと告白してくれたとしても、後から『やっぱり違った』なんて言いそう……。気難しいところもある人ですから」

智弘さんには美佐さんのほうが押し気味だが、美佐さんに言い寄っている男性も少なくない。そのうちの1人が、以前からの友人である伸也さん(仮名、33歳)だ。

伸也さんとは「勉強仲間」であり、スターバックスの机に陣取って一緒に資格試験の勉強をした時期もある。数か月に1度は顔を合わせる友達だ。このインタビューの2日前にも2人は会っていて、伸也さんは美佐さんに突然プロポーズをした。しかし、その内容はロマンチックとは程遠いものだった。

「恋愛的な好きではないけれど、何でも話し合って人生を共に歩んでいける人だと思った、と言うんです。褒められているのかけなされているのか分かりませんでした」

美佐さんのほうも伸也さんの前では「まったく女になれない」と感じている。ならば友達のままでいるべきだろう。

「好きだと言わなかったら、好きな男のほうに行ってまうやろ」

今年の夏に出現したのが、2歳年上の正孝さん(仮名)。昨年末に婚活アプリで知り合い、関西にある出身大学が同じであることで意気投合した。

実家も関西にある正孝さんは広告代理店の名古屋営業所で働いており、忙しい日々を送っている。この夏、何を思ったのか久しぶりにLINEでメッセージを送ってきた。

「飲みに行こうや」

美佐さんは決断力がないことを自覚している。智宏さんのことが好きなのは確かだが、他の人ではダメだとも思えない。正孝さんには「好きな人はいる」ことを伝えて自分への言い訳を作りつつ、誘われるままに飲みに行った。

「意外としっかりした人なんだ、という印象を受けました。一緒にいても楽しいし、彼の前で女になれないというわけでもありません。でも、車で自宅近くまで送ってくれて、最後にキスをされそうになったんです。それさえなかったら好印象だったのに……」

正孝さんはまったく悪びれない。美佐さんは智宏さんと付き合っているとはいえず、自分には恋人がいない。真剣に積極的にアプローチして何が悪いのか。

「久しぶりに会っていきなり強引に迫られても困る、と抗議したのですが『いま好きだと言わなかったら好きな男のほうに行ってまうやろ』と返されました。関西人に口ではかないません」

美佐さんの本当の気持ちは「智宏さんと結婚したい」に尽きる。一番信頼できて、一番一緒にいたいと思える人だから。でも、モテ期は長く続かないことも分かっている。智宏さんとの関係は自分が30歳のうちに結論を出すつもりだ。智宏さんがいつまでも煮え切らないのであれば「それまでの縁」と割り切るしかない。

大学職員の仕事にはどのような見通しを持っているだろうか。

「この仕事でまだやってみたいことはありますが、固執はしていません。20代の頃は他の仕事をいろいろしていましたが、それぞれ楽しいと思えました。結婚して、今の仕事を辞めざるを得ないのであれば仕方ありません。東京や大阪に行ってみるのもいいな、と思っています。お金にはならないことは分かっているけれど、手仕事が好きなので何かを作ることを仕事にできたら楽しそうですね」

30歳。社会人としても成熟し、なおかつ若さにあふれている。男女ともに恋愛市場でも転職市場でも引き合いが増える時期だ。実際、彼らの前途には無数の選択肢がある。しかし、数年後には何かを選び、他のものは捨て、引き返すことのできない道を進まねばならなくなる。そのとき初めて本当の大人になるのだ。アラサーは、現代人にとって「若者」でいられる最後の時期なのかもしれない。

大宮冬洋
 フリーライター。1976年埼玉県生まれ。一橋大学法学部卒業後、ファーストリテイリングに就職。1年後に退職、編集プロダクションを経て2002年よりフリーに。著書に『30代未婚男』(共著/NHK出版)、『バブルの遺言』(廣済堂出版)、『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました』(ぱる出版)、『人は死ぬまで結婚できる ~晩婚時代の幸せのつかみ方~』(講談社+α新書)など。読者との交流飲み会「スナック大宮」を、東京・愛知・大阪などで月2回ペースで開催している。公式Webサイト https://omiyatoyo.com

春割ですべての記事が読み放題
有料会員が2カ月無料

有料会員限定
キーワード登録であなたの
重要なニュースを
ハイライト
登録したキーワードに該当する記事が紙面ビューアー上で赤い線に囲まれて表示されている画面例
日経電子版 紙面ビューアー
詳しくはこちら

ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。

関連企業・業界

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
春割で無料体験するログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で無料体験するログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
春割で無料体験するログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で無料体験するログイン

権限不足のため、フォローできません

ニュースレターを登録すると続きが読めます(無料)

ご登録いただいたメールアドレス宛てにニュースレターの配信と日経電子版のキャンペーン情報などをお送りします(登録後の配信解除も可能です)。これらメール配信の目的に限りメールアドレスを利用します。日経IDなどその他のサービスに自動で登録されることはありません。

ご登録ありがとうございました。

入力いただいたメールアドレスにメールを送付しました。メールのリンクをクリックすると記事全文をお読みいただけます。

登録できませんでした。

エラーが発生し、登録できませんでした。

登録できませんでした。

ニュースレターの登録に失敗しました。ご覧頂いている記事は、対象外になっています。

登録済みです。

入力いただきましたメールアドレスは既に登録済みとなっております。ニュースレターの配信をお待ち下さい。

_

_

_