働き方・学び方

キャリアの壁をどう破るか

インフルエンサーの頂点へ 感性は現場で磨かれる WEF名誉会長・尾原蓉子氏×ビームス社長・設楽洋氏

2018/11/21

尾原 私が女性活躍を支援する団体、WEF(Women's Empowerment in Fashion)を立ち上げた時に、設楽さんには発起人として盛り立てていただきました。また、ビームスの男性社員が女性に混じって勉強会に熱心に参加する姿にも感銘を受けました。「うちはまだ女性活躍が遅れている」とお考えでしたが、社員一人ひとりを大切にする姿勢に、女性活躍もギアが入れば楽しみだと感じていました。それについて社内で何か取り組みをされていますか。

■個人の意識変革からすべては始まる――女性活躍の壁

感性の磨き方や女性活躍について語り合った

設楽 女性が活躍するうえでの課題や解決策を考えていくため、男女7人をコアメンバーとするWEC(Women's Empowerment Committee)を立ち上げました。WEFのパクリです(笑)。さらに、自分も参加して意見を述べたいという人を募ったところ、150人以上も集まったのです。

ビームスはメンズからスタートした経緯もあり、会社の運営はこれまで男性スタッフが中心でした。加えて、女性は産休や育休で職場を離れる期間が出てしまう。店舗は全国にあるので、本部だけに託児所をつくっても解決策になりません。この2つが女性活躍を阻む主な要因だったのですが、今回、問題意識を持ち、自分自身も変えていこうと考えている人が150人以上もいることがわかり、次のステップに上るきっかけになると期待しています。

尾原 自分で手を挙げてボトムアップのパワーが起こるのは、ビームスらしくて、素晴らしいですね。これからの時代は、ヒエラルキー組織でのトップダウンではなく、現場と個人の意識や感性から具体策が出てくるプロジェクト的な行動が、実効を伴うイノベーションになります。入社時点では優秀な女性が多いのに、結婚や出産などで辞める人がいる。これを何とかしたいという設楽さんの思いが、新たな発展につながることを期待しています。

私の近著「ブレイクダウン・ザ・ウォール」も読んでいただいたそうで、ありがとうございます。特に「リーダーの5つの条件」が強く印象に残ったとのことですが、(1)ビジョンがある(2)人の話に耳を傾けることができる(3)自分の考えをコミュニケートできる(4)人を鼓舞することができる(5)勇気がある、のどれが設楽さんの琴線に触れたのでしょうか。また、それはなぜですか。

設楽 僕はリーダーの最大の使命は「夢を与えること」だと思っています。この5つの条件は全てが当てはまります。特に(1)(4)(5)は大切なものだと思います。

尾原 最後に、ファッションビジネスは大変革が不可欠だといわれますが、これからどんな方向を目指していくのでしょうか。

設楽 社内で将来の方向性を検討するプロジェクトが進行中ですが、私自身は「オペレーション機能を持った企画集団になりたい」と思っています。国内の店舗小売では限界があり、eコマース(電子商取引)も供給過多、セレクトショップという業態は海外進出もなかなか難しい。となると、これまで自分たちが培ったノウハウを使って、新しい広義のファッションビジネスを考えていくしかありません。

たとえば以前実施した「Rakuten meets BEAMS100人隊」という企画では、楽天が扱っている膨大な数の商品の中からビームスのアウトドア好きスタッフが選んだアイテムを販売する、といった試みをしています。世の中の数ある情報を絞って提案するのは、うちの得意なジャンルです。そのように、今までに培ってきた力を生かした新しいビジネスモデルを考えていきたいと思っています。

(文・構成 渡部典子)

ブレイクダウン・ザ・ウォール Break Down the Wall 環境、組織、年齢の壁を破る

著者 : 尾原 蓉子
出版 : 日本経済新聞出版社
価格 : 1,620円 (税込み)


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