トラベル

クローズアップ

ふかふかの人気者を観察 真冬が楽しい動物園10選

NIKKEIプラス1

2018/11/18

1位の旭山動物園
真冬の動物園には他の季節とは異なる楽しみがある。
北国生まれの人気者たちの生き生きとした姿、寒さの中でこその生態……。
これからの時期にとっておきの動物園を専門家10人が選んだ。

■冬場こそ工夫 寒さ逆手に

「冬場に開園するからこそ工夫を凝らす動物園も多い」。日本動物園水族館協会(東京・台東)の専務理事、成島悦雄さんは話す。

動物園がにぎわうのは春から秋。ただ、屋外型が多く、夏休みなどは多くの動物の活動が鈍りがち。ホッキョクグマやアザラシといった北国生まれの人気者は冬場こそ活発に動き、ライチョウは真っ白に換羽。ウサギやタヌキ、リスはふかふかの冬毛をまとう。「熱帯生まれのオランウータンも雪に喜ぶ」(成島さん)。冬は寒さの中、動物たちが生きる姿をつぶさに観察できる好機なのだ。

今回のランキングでは冬の営業を織り込んだ、あるいは寒さを逆手にとったアイデアが光る施設が上位に入った。人と動物が“立体交差”する旭山動物園の行動展示はまさにその典型だ。動物の特性や個体差を知り、その魅力を伝えるために各施設のプロが知恵を絞る。少子化が進む中、こうした努力が外国人を含むファンの幅を広げる。


1位 旭山動物園
(北海道旭川市) 940ポイント
圧巻の臨場感 寒さごと体感

それぞれの動物が持つ能力や動きを工夫して見せる「行動展示」で全国的に知られる。真冬は最高気温も氷点下10~20度という極寒の立地ながら、冬期営業の休園日は年末年始の3日間だけ。副園長の中田真一さんは「せっかくの旭川なので寒さごと体験してほしい」と話す。園内は正門から山の斜面を登っていく設計。獣舎も土地の高低差を生かし、さまざまな角度から動物を観察できる。冬用の靴に防寒着は必須のアイテムだ。

人気イベント「ペンギンの散歩」と並ぶ冬場の名物となっているのは「アザラシ館」のプールだ。職員総出で重機を使って園内の雪を詰め込み、凍らせて流氷を再現する。氷の隙間からアザラシがひょっこり顔を出すと、「まるで北海道の自然の中にいるようで感動的」(佐々木隆さん)。

「雪の中を駆け回り、遠ぼえするシンリンオオカミは野性を感じて面白い」(内山晟さん)、「冬の動物園の魅力という点では押しも押されもせぬナンバーワン」(佐渡友陽一さん)など、北方の動物の充実に専門家の支持が集まった。キャンドルを使った恒例行事「雪あかりの動物園」を2019年2月に開催する。

(1)820円(2)12月30日~1月1日(3)JR旭川駅、旭川空港からバス約40分(4)http://www.city.asahikawa.hokkaido.jp/asahiyamazoo/

2位 札幌市円山動物園
(札幌市) 730ポイント
頭上を泳ぐホッキョクグマ

地下鉄の最寄り駅がJR札幌駅から15分と利便性のよい動物園。約170種(約900点)の動物を展示する。2018年春オープンの「ホッキョクグマ館」は従来施設の5倍の1500平方メートルという広さ。延長18メートルの水中トンネルからは頭上に水の中を自在に泳ぐクマの大きな体や足裏の肉球を見上げることができる。「パウダースノーの上で気持ちよさそうなクマの親子は必見。新施設は陸上部分が広く、冬が楽しみ」(とうしばやすこさん)

レッサーパンダ、ユキヒョウ、オオカミなど多くの動物は室内でも観察できる。12月から2月までの冬場は来園者が少し減る分、ゆったりと楽しめる。名物飼育員が光の当て方や温湿度などにこだわった「は虫類・両生類館」も冬場のおすすめ。「ここ数年で新しい施設が整備され、動物の行動展示もよくなった」(清水眞澄さん)。19年春には5000平方メートルの新ゾウ舎のオープンも予定する。

(1)600円(2)毎月第2、第4水曜日、12月29~31日(3)地下鉄円山公園駅から徒歩15分、バス5分(4)https://www.city.sapporo.jp/zoo/

3位 神戸どうぶつ王国
(神戸市) 380ポイント
屋内で魅力引き出すショー

神戸市の人工島「ポートアイランド」に2014年開業した。中心部の三宮から新交通で約14分とアクセスがよい。グループで運営する「どうぶつ王国」のノウハウを集大成。それぞれの動物本来の生態に配慮しながら能力、魅力を引き出している。「屋内中心の構造で寒さに強く、コンパクトな空間でも野生の空気を感じさせる」(森由民さん)。「動物たちに大接近できるポイントも多い」(佐々木さん)

オオフクロウやハヤブサといった大型の鳥類が繰り広げるバードパフォーマンスショーなどのアトラクションが人気。「動物の魅力とトレーニング技術を知り尽くしたスタッフの力量がうかがえる」(佐渡友さん)。11月末からは花びらを浮かべた湯につかる「カピバラSPA」がスタート。12月にはグループの那須どうぶつ王国からトナカイの来園も予定している。

(1)1800円(2)毎週木曜日(1月3日は開園)(3)三宮からポートライナーで約14分、「京コンピュータ前」下車(4)https://www.kobe-oukoku.com/

4位 いしかわ動物園
(石川県能美市) 300ポイント
本州・日本海側の雪国の魅力

1999年開業と比較的新しい動物園。冬の開園も前提に、屋内展示を充実させている。23ヘクタールの敷地にトキのいる里山を再現した展示など21のエリアがある。203種(4009点)=2017年1月時点=の動物を飼育。「トキの飼育を四季を通じて公開する唯一の動物園」(さとうあきらさん)。「地元ゆかりの動物を明るい雰囲気で展示し、北海道とはまた異なる本州・日本海側の雪国の魅力を体現している」(森さん)

(1)830円(2)毎週火曜日(春休み期間は開園)、12月29日~1月1日(3)JR金沢駅からバス約60分、北陸自動車道能美根上スマートインターチェンジ(IC)から車で約20分、(4)http://www.ishikawazoo.jp/

5位 よこはま動物園ズーラシア
(横浜市) 260ポイント
寒冷地の雰囲気に没入

敷地は45ヘクタール超。「アジアの熱帯林」や「アフリカのサバンナ」などのゾーンに分け、約100種(約750点)=2018年3月時点=の動物を展示している。冬場は「亜寒帯の森」や「日本の山里」などのゾーンが季節と相まって真価を発揮。「植栽にもこだわっており、寒い地方の冬の雰囲気に没入できる」(綿貫宏史朗さん)。「飼育員がホッキョクグマやアムールヒョウのケア、気晴らしなどに臨む場面も見どころ」(つまき♪さん)

(1)800円(2)毎週火曜日、12月29日~1月1日(3)相鉄線「鶴ヶ峰」「三ツ境」などからバスで約15分(4)http://www.hama-midorinokyokai.or.jp/zoo/zoorasia/

トラベル 新着記事

ALL CHANNEL