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五輪ボランティア、道案内はイヤ? 募集に自治体奔走

2018/11/19 日本経済新聞 夕刊

東京都が開いたボランティア募集の説明会(8月、東京都千代田区)

2020年東京五輪・パラリンピックを支えるボランティア集めが早くも追い込みに入っている。大会組織委員会が募集する「大会ボランティア」と比べ、自治体が募集する「都市ボランティア」は選手や競技への関わりが薄く、道案内などの地味な役割が中心。応募が目標に届いていない自治体では、迫る締め切りを前に担当者がPRに奔走している。

「都市ボランティアは大会の開催都市・東京の顔。攻めのPRをしたい」と、東京都の担当者は力を込める。

都は、競技会場の最寄り駅や空港周辺の道案内などを担う都市ボランティア2万人の募集を9月に開始。最初の1カ月弱の応募は3割程度の約6千人にとどまり、急きょ11月中に3回の説明会の開催を決定した。町内会や企業にも足を運んでPRしている。

11月上旬の段階でも、集まったのはまだ1万人程度。締め切りは12月5日に迫っており、担当者は「最後までPRに努め、目標を上回る人を集めたい」と話す。

■埼玉県、活動日数短くして達成

レスリングなどが行われる千葉県は3千人を募集するが、11月12日時点の申し込みは2158人。応募者の8割が40代以上で、若者の集まりが悪いのが悩みの種となっている。締め切り日の12月10日まで1カ月を切り、担当者も「そろそろ気を引き締めないと」。大学での説明会を増やし、高校には宣伝用のリーフレットを配るという。

一見、地味な活動に見える都市ボランティアだが、文教大学の二宮雅也准教授(スポーツ社会学)は「困っている観光客を助けたり地元の魅力を紹介したりと、大会ボランティアとは別の魅力がある」と指摘。「求める人材や実際の活動のイメージを丁寧に紹介すれば、やりたい人は出てくるはずだ」と話す。

バスケットボールやゴルフなどが開催される埼玉県は9月末に募集を終え、5400人の枠に対し9650人が集まった。他の自治体より1カ月ほど早い8月から募集を始め、ボランティアに求める活動日数を短めの「3日以上」としたことが奏功したとみている。

「競技に興味のある人が広く応募してくれた」と話すのは、セーリング会場の江の島を抱える神奈川県藤沢市の担当者。12月7日の締め切りを前に、既に定員の3倍となる約300人が集まった。4分の1は市外からの応募だという。19年4月からさらに800人の2次募集を予定している。

山梨県山中湖村は8月に自転車競技のコースとなることが決まり、年明け以降、観戦者の誘導などのボランティアを募集することに。村の人口が約5800人のところ、数百人のボランティアが必要と見込んでおり、担当者は「村内だけで集まらなければ、近隣の市町村にも声をかけなければ」と気をもんでいる。

◇   ◇   ◇

■大会組織委は高い関心に手応え

2020年東京五輪・パラリンピックの大会運営を支える「大会ボランティア」には、9月26日の募集開始から10月22日午前10時までに5万2249人が応募した。大会組織委員会が求める8万人の約65%にあたる。

組織委によると、応募者の約6割が女性。また、10~30代の若い世代が約6割を占めているという。

大会ボランティアの活動は、競技会場のセキュリティーチェックや会場内の案内のほか、選手インタビュー時の通訳や表彰式のサポートなども含まれる。

募集締め切りは12月上旬の予定。ボランティアの条件などに批判もあったが、組織委の担当者は「関心の高さを感じている」と目標人数達成に自信を見せ、「引き続き多くの方に応募してほしい」と呼びかけている。

[日本経済新聞夕刊2018年11月14日付]

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