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日テレキャスター 40代の暗黒時代脱した自分メンテ

日経ウーマンオンライン

2018/11/19

■自分立て直しは「体のサインの自覚」から

――暗黒時代? どんなご経験だったのでしょうか?

2013年、BS日テレで「深層NEWS」という新番組が始まりました。今も続くこの番組では、政治、経済、医療などのさまざまなテーマについて、その道のキーパーソンを招いてニュースを深掘りしています。しかも、たっぷり1時間の生放送。高度な進行の技術が問われる番組ですが、私はこの番組の初代メインキャスターに就くことになりました。やりがいのあるチャレンジです。私は「小西さんにやってほしい」と請われることがうれしくて、覚悟を持って引き受けました。

ですが、これが思った以上にとてもきつかった。身の丈以上の、難しくて大きな仕事だったんです。

――それは、どのような「きつさ」だったのですか?

放送終了後のスタッフ会議では、容赦ない注意や指摘が私に向けられました。「いい番組をつくりたい」という思いから厳しい言葉をいただくのは当たり前で成長のためにありがたいこと。でも、気を付けていても、同じような場面で同じミスをしてしまうし、努力しても全く成長できなかった。さらにこの時の私は、とにかく番組を成立させないといけないというプレッシャーに駆られ 、厳しい指摘の数々を受け入れる心の余裕すら持てていなかったのだと思います。同時期に、母が病に倒れて看病生活が始まったこともあって、今思えば精神的にもギリギリな状態でした。

「なにかあれば相談できる。そういう人がいると大きな支えになります」

――仕事のプレッシャーに押し潰されそうな状況は、どんな女性でも起こり得ることです。小西さんの場合は、どう対処したのでしょうか?

私の場合は、まず「体のサインから自覚する」ことが自分を立て直すステップのスタートになりました。そのサインを教えてくれたのは、いつも番組出演前に髪形を整えてくれる局付きのヘアメイクさんでした。

ある時、メイク室で進行台本をめくりながらふと鏡を見ると、耳の横の頭皮が赤くなっているように見えたんです。ヘアメイクさんに、「私、頭皮がちょっと荒れているかな?」と聞くと、彼女はちょっと申し訳なさそうな表情を浮かべて言ったんです。「小西さんが気にするかと思って黙っていたんですけど……、赤くなっているの、そこだけじゃないんです」。ストレスから来る赤い湿疹が頭皮全体に広がっていたのだと気付きました。

その頃は、出勤途中や放送前には緊張からおなかが痛くなることもしばしばでした。放送前まではゼリーしか口にできなくなり、「このままではいつか倒れて番組に穴を開けてしまう」と危機感を覚えた私は、この時初めて、医者にかかろうと思い立ちました。結果、この判断がとてもよかったと思っています。

■心から信頼できる主治医を持つ

――どういうお医者さんにかかったんですか?

内科の先生です。同僚のお父さんが胃腸の専門医だったことを思い出し、早速紹介してもらって、クリニックを訪ねたんです。

診察室で初めてお会いしたY先生は穏やかな表情で私と向き合い、胃腸の不調や不眠、頭皮の湿疹、耳鳴りの症状についても、私の訴えをじっくりと聞いてくださいました。

「まずはしっかり眠れるようにしましょう。心も安定していきますからね」と薬を処方し、「参考に読んでみてくださいね」と薄い冊子を渡してくれました。過敏性腸症候群や睡眠障害、うつといった病名が書かれたパンフレットの表紙を見て、「ああ、そういうことか」と、妙に心が軽くなった気がしました。 「困ったことがあれば、いつでも相談してくださいね」という言葉がとても心強く、 私は2週間に1回ほど、クリニックを訪ねるようになりました。

心が弱っている時、定期的に体のメンテナンスを続けることで、私の気持ちは落ち着いて、いつの間にか心も回復していきました。番組では、相変わらず力不足で怒られてはいましたが、健康面を相談できるY先生がいることで、「どんなに心身が弱っても、最悪の状態にはならない」と落ち着きを保てるようになったのです。

――心が弱った時には、体のメンテナンスがおすすめだと。

病院を訪れなくても、体を動かすだけで十分な人もいるかもしれませんよね。いずれにしても、ハードな状況に置かれた時ほど、ちょっとした体の変化を見逃さないことが大切だと実感しました。

心(精神面)と体(身体面)は一体であり、それぞれが影響し合うと思うので、大変な時こそ両方のケアが必要。Y先生は私を窮地から救ってくれた恩人です。今ではすっかりご無沙汰するほど回復した私ですが、「心から信頼できる主治医を持つこと」は長く働き続ける条件の一つだと思います。

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