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退職後の生活費抑える 物価安い地方都市移住が一案

日経マネー

2018/11/30

写真はイメージ=123RF
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前回「定年再雇用は長く働けない? 資産減らさない工夫を」では長く働くことが退職後の生活資金を確保する第1の対策であると紹介しました。今回は生活費の引き下げを第2の対策として考えてみましょう。

イラスト:小迎裕美子

ここで改めて、前々回「『逆算の資産準備』のススメ 95歳から遡って考える」で紹介した3つの掛け算を見ます。「(1)退職後の必要生活資金総額=退職後年収×退職後の生活年数」「(2)退職後年収=現役最後の年収×目標代替率」「(3)資産形成額=年収×資産形成比率」がそれでした。

こうした「退職後の必要生活資金総額」を算出する考え方は、ファイナンシャルプランナーがよく行うような、住宅リフォーム代がいくらか、海外旅行に何回行く予定か、といった積み上げ方法ではなく、必要な額から逆算するトップダウンの方法です。米国や英国ではこうした方法がよく使われていますが、日本ではあまり見かけません。しかしこのトップダウンの方法は大枠を理解でき、またこの大きな必要資金にどう立ち向かうかの対策を考える上で非常に分かりやすい方法です。

■目標代替率の引き下げには

ここで「退職後年収」と「目標代替率」という言葉を説明しておきます。退職後の年間生活費の源泉は、公的年金と勤労収入、そして足りない部分を補う資産の取り崩しの3つです。この生活資金を支える「源泉」側から見た合計を退職後年収と呼びます。資産の取り崩しも含まれることが重要です。

そして、退職後年収を退職直前の年収と比べたものが目標代替率です。目標代替率は現役時代に比べ、どれだけ生活費を抑制するのかを示す数値でもあります。

どれくらいの「目標代替率」が妥当で、どうやったらその水準を引き下げることができるのでしょうか。米国では、会計検査院のリポートによると85%が多く使われているようです。英国では国の外郭団体だった年金委員会が3分の2と提示していました。日本では、フィデリティ退職・投資教育研究所が2009年の家計調査を基に68%と算出しています。

18年に行った調査で、自分の退職後の生活が今の高齢者と比べて「悪くなる」と回答した人の比率は61.2%に達しました。背景にあるのは、「退職後の生活で最も心配していること」として52.2%が挙げている「退職後の生活費の不安」でしょう。

出所:フィデリティ退職・投資教育研究所、サラリーマン1万人アンケート2018

具体的になぜ生活費の不安が大きくなっているかを確認しましょう。調査では、退職後の生活の中で最も大きな支出・制約となるものを複数回答で聞いています。上位に入ったのは、医療費(60.2%)、続いて食費(29.1%)、そして税金・社会保険料(27.3%)です。5位の「介護費」も考えると健康管理コストを心配しているのが分かります。

ここで注意すべきは、これら4つのうち、「食費」以外はなかなか自分でコントロールできないものだということです。改めて、退職後の生活コスト削減は簡単ではないと理解する必要があります。ちなみに16年の調査でも、ほぼ同じ傾向が見られました。

米国では55歳以上が入居するリタイアメント・コミュニティーが1000カ所以上あるといわれています。米国では富裕層が活用するようですが、日本は地方都市移住を目標代替率の引き下げ策として検討してもいいでしょう。

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