緩和縮小で分かる投資価値 誰が裸なのか(平山賢一)東京海上アセットマネジメント執行役員運用本部長

しかし、この動きは米連邦準備理事会(FRB)に代表されるように、債券などの購入が止まり、償還に合わせて残高が縮小しており、方向転換し始めているのです。

国債残高を年80兆円程度積み増していた我が国の日銀も、その額は大幅に減少してきています。金融市場の最大のサポート役であった中銀は、ゆっくりとその役回りから退出し始めているのです。

米ドル建てでは主要中銀の資産残高は減少

この動きを確認するために、主要な中銀の資産残高を見てみましょう。08年にグローバル金融危機が発生してから急拡大した主要中銀の資産残高は、約7兆ドルから18年2月には20.7兆ドルまで、10年間で約3倍まで膨らみました。年率に直すと約12%のペースで増加していたことになります。

その一方で、FRBは15年末に利上げを決定し、その後も利上げを進めてきました。しかし、18年までは膨らんだ中銀の資産が減少することはなかったわけですが、2月のリスクオフ局面と符合するように、欧州中央銀行(ECB)、日銀、中国人民銀行も加えた4中銀の米ドルベースの資産残高はピークアウトしました。

米ドルが上昇に転じたことも手伝い、FRB以外の中銀の自国通貨建ての資産残高は緩やかに増加しているものの、米ドル建てでは4中銀の資産残高は減少に転じているのです。

現在、4中銀の資産残高は合計で19.8兆ドルまで減りました。しかも、ECBは国債の新規購入を停止する方針を明らかにしていることから、19年以降も中銀資産残高は減少していくと考えられます。

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