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GLAY TAKURO 勇気と自信くれたビンテージギター

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『HOWEVER』や『誘惑』など数々のメガヒットを放ち、様々な伝説を打ち立ててきた4人組ロックバンド、GLAY。数多くのヒットシングルの作詞作曲を手がけつつ、所属事務所の代表取締役としてバンドを導くのが、リーダーでギタリストのTAKUROさんだ。そんなTAKUROさんに勇気と自信をくれたのが、B'zの松本孝弘さんから薦められたビンテージギター(市場価格は数千万円)との出合いだったという。

◇  ◇  ◇

購入の決断までは1カ月悩む

「1959年製のGibson(ギブソン) Les Paul(レスポール) Standardを入手したのは、5~6年ほど前です。20年来の友人である松本孝弘さんと酒を飲みながらいろんな話をするんですが、『やっぱり俺たちは芸能人とかタレントじゃなく、ギタリストなんだよね』ってところに行き着く。にもかかわらず、デビューしてからソングライティングと(リーダーとしての)バンドの取りまとめが忙しく、ロックが好きになった原点のギターを後回しにしていて、どこか後ろめたさを感じていたんです。

そんなときに松本さんから、『そろそろ本物のビンテージギターに向き合ってみたらどうか』と勧められました。戸惑いつつも心が動きましたね。ただ、ビンテージギターって、お金があるからって買えるものではないんです。いろんな人が『TAKUROが探しているらしい』と口伝えで広め、実際に探してくださる方が世界中を探してやっと見つかるかどうか。僕は松本さんの口添えもあったのでラッキーでしたね。

ある日、多くのプロギタリストに信頼されている、なじみのギターショップの方から『アメリカの片隅で見つけました。ご興味があれば連絡ください』と、画像が送られてきました。

何しろ初めての経験だったので、購入前はいろんな人からアドバイスをもらいました。決断するまでには1カ月もかかりました(笑)。3本ほど候補はあったんですが、特に心引かれたのがこれで。本来の色は赤なんですが、経年などでいい感じに退色してレモンバーストという色味になってるあたりもいいですよね」

「特に気にしたのが、楽器としての健康状態。プロの目利きも太鼓判を押すくらい良好で、ステージで使っても堪えられると聞いて、うれしくなりました。ビンテージギターは世界中に熱狂的なコレクターがいて、いつからか投資的な価値も持つようになりましたが、僕はあくまでも楽器として使えるものを探していたんです。

今では、このギターはソロのライブでは欠かせません。ステージに1本だけしか持ち込めないときなんかは、これを真っ先に選びますよ。美術品としてめでるために収集している方からはひんしゅくを買うでしょうが(笑)。発売された59年当初は300ドル弱程度のものだったとか。先人たちが大事に弾き、守り続けてきたから今ここに奇跡のように存在している。僕もそうやって大事に引き継ぎたいと思っています。

一度若いスタッフが不注意で倒してしまったときは周囲のスタッフが凍りつきました。スタッフにプレッシャーをかけすぎないように僕は平然としたふりをしましたけどね(笑)」

「せっかく入手したのだから、ギターをメインにしたインストゥルメンタルの作品も作ってみたいと思うようになって、僕はふと気がついたんです。インスト曲って、どうやって作ればいいんだろうってね。これまで曲を作ると同時に歌詞も浮かんでいたので、それが当たり前になっていたんです。でも歌のないインスト曲の作り方となると、皆目見当がつかない。そんなときに、ふと横を見たら松本さんがいるじゃないですか(笑)。グラミー受賞者をプロデューサーに迎え入れられるなんて、これほど心強いことはありませんよ」

生で届けることに意味がある

「松本さんから、『ギターもシンガーのように個性がある』と教えてもらったのがいいヒントになりました。実際に、オペラ歌手のように高音が美しく響くギターや、少しこもった声で歌うもの、フランク・シナトラみたいに低音が渋い個体などさまざま。音色の違いを歌声に見立てることで、曲作りがとてもスムーズになりました。

この59年製はピッチも良く、どんな曲でも歌いこなせる万能選手。どんな曲でもいい音で鳴ってくれるところは、なんでも歌いこなしてしまうボーカルのTERUに似ているかもしれませんね。僕は高校時代から自身が歌えない曲を作っては、『じゃ、よろしく』って任せっきり(笑)。TERUとは今までキー合わせをしたことがないんです。作家やプロデューサーとしての立場を忘れてしまえるほどの自由さが、このギターにはあります。

半世紀以上も受け継がれてきた、このギターをこの21世紀に生で届けることに意味があると僕は思っています。かつて武道館でジミー・ペイジが同じギターを生で弾いた音に感激した人が、今の音楽界で活躍しているように、GLAYを支えてくださる音楽ファンに生で届けたい。同じ空間で共有する音は、音源で再生するものとはやはり圧倒的に違いますから。

笑われるかもしれないけど、このギターを手にした40歳を過ぎたころから『やっとGLAYのメンバーになれたな』と思えたんです(苦笑)。それまでは3人の才能や存在感に圧倒されるばかりで、GLAYという光の輪の端っこにいるような感覚でした。25周年、30周年とこの先よりGLAYを輝かせるには、自分の器を磨きたい、作詞作曲の能力を高めたいと強く思うようになりました。ギターに関しては足を引っ張っている思いが強かったので、切実でした」

「試行錯誤の末に完成した、1stソロアルバム『Journey without a map』(2016年)は、もともと好きで、かつレスポールの音色にも合うジャズやブルースに寄った作品になりました。GLAYのメインギタリストであるHISASHIは、ハードコアやメタル、ノイズ系などが得意。この先、HISASHIがもしギターのアイデアに詰まったとき、違った角度から『こんなのどうかな』って代案を出せたらいいなという思いもありました。

ソロでステージに立つことで、フロントマンであるTERUの圧倒的な孤独や、HISASHIのすごさを改めて感じたし、より深く理解できたと感じます。ギターと真正面から向き合ったことで、『BELOVED』や『誘惑』もちゃんと弾けるようになったなと(笑)。キース・リチャーズの名言じゃありませんが、本来自分が思い描いていたような演奏ができるよう、もっと練習してステージで披露したいです」

確かな地位に安住せず、挑戦を続けるTAKUROさん。経営者としても新たなチャレンジに出た。GLAYの全音楽と映像を定額で楽しめるサブスクリプション型アプリ「GLAY OFFICIAL APP」の公開がそれだ。

「僕は毎朝、グーグルホームに話しかけてはいろんな音楽を聴いています(笑)。それを日々経験して痛感するのは、便利さには勝てないなって。あんなに集めた映画のDVDもNetflixやHuluに取って代わられました。手元になければ、そこで諦めちゃうんですよ。

とはいえ、多くのサブスクリプション型サービスは、アーティストの権利などから全曲を無条件で聴くことは難しい。もしGLAYの音楽ならどこまでも掘りたいというリスナーがいるなら、聴ける、見られるチャンスをあげたいと思いました。僕らは自分たちで映像等のライセンスを管理している強みがある。過去のものを制限なく出せるだけじゃなく、なんならこれから生まれる音楽の、途中の段階を共有することもできるんじゃないか……と可能性は無限に感じました。

また、今年の夏、函館で5年ぶりに野外ライブをやったんですが、ファンの方は僕らの思い出の地を巡礼してくださいます。僕らの思い出の場所に行くと解説が受けられるといった、本来のアプリらしい使い方もできるんです。

ミュージシャンはもともと「新しいもの好き」ですし、新技術との親和性は高いと思います。とはいえ、僕とJIROは交流サイト(SNS)すら不得手で、HISASHIに用語の説明からしてもらいました(笑)。そうやって、ワイワイ楽しいことを共有できたから25年も進んでこられたんですよね。GLAYで大事なとこってやっぱりそこだよなと、最近しみじみ思うんですよ。

新曲『愁いのPrisoner』ができたときも、GLAYの原点であるキャンプファイアでみんなで歌えるような音楽、肩のこらない良質のポップソングになったなと感じました。近年は、4人全員がソングライターとしてGLAYを支えていることもあり、音楽的なトライアルが重なりましたが、今作は80年代や90年代の親しみやすさを感じていただけるんじゃないかと思います。

ミュージックビデオもそのワイワイした雰囲気を出したくて、ロケバスにみんなで揺られてアメリカのラスベガス近郊のゴーストタウンまで出かけて撮影しました。ツアーではコンディションを気にして、飲んだり騒いだりできないんですが、今回は思いっきりそれも楽しめました(笑)。

そういう青臭い衝動って、もの作り、特にロックには大事なこと。ミニマルに暮らすフランス人には、多分激しいギターリフは作れないんじゃないかなって思ったり(笑)。実は、新たに58年製のサンバースト・レスポールがすごく気になっていて……。半年ほどしか作られなかったという超レアもので、いろんな点でハードルは高いですね。もし『愁いのPrisoner』が予想外にヒットしたら、ご褒美に手に入れたいなとひそかに思っているところです(笑)。

《1959年製のGibson Les Paulの詳細な写真はこちらで》TAKUROさん「私のモノ語り」

TAKURO:
1971年5月26日生まれ、北海道函館市出身。1988年に幼なじみのTERUと同じ高校のHISASHIとGLAYを結成。1991年に同郷のJIROが加わり、現編成に。59年製のほかに、TAKURO自らが「グランマ」と命名した55年製、57年製など、ギブソンのレスポールの名器を複数所有する。現在、ソロの2ndアルバムを制作中で、ビンテージギターが活躍しているという。

『愁いのPrisoner/YOUR SONG』

11月14日発売のGLAYの約1年ぶりのニューシングルはダブルAサイドシングル。TAKURO作詞作曲「愁いのPrisoner」はGLAYらしい「愁い」と「力強さ」を持ったロックナンバー。時の流れや、思い出など様々な想いを「Prisoner」と言い換えて表現した。TERU作詞作曲の「YOUR SONG」は、スペシャルオリンピックス日本公式応援ソング。メロディーはGLAY流応援歌と言わんばかりのアップテンポで、ホーンセクションなどが軽快に響く曲だ。CDには「LUNATIC FEST. 2018」で披露した数々の超レアなコラボや、ライブ音源などが収録される。

(文:橘川有子 写真:中村嘉昭)

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