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大学スポーツ、勉強しなきゃ駄目 試合の出場停止も 統括組織UNIVASは成績基準を検討

2018/11/21 日本経済新聞 朝刊

留年・退学を防ぎ、就職で苦労しないよう後押しする(写真はグラウンドでトレーニングする大学生)

大学スポーツを巡り、学生である選手の「文武両道」を目指す動きが広がっている。単位が不足していれば対外試合への出場停止などのペナルティーを科し、勉強の進め方などを助言。留年・退学を防ぎ、就職で苦労しないよう後押しする。スポーツ庁が構想する大学スポーツの統括組織も、選手の成績基準を設ける方向で検討を進めている。

早稲田大は2014年度から44の体育各部に所属する全2700人を対象に、4年間で卒業できるように修学支援する「早稲田アスリートプログラム(WAP)」を導入。早大競技スポーツセンターの石井昌幸所長(スポーツ科学学術院教授)は「体育各部(運動部)の学生にとって、勉強することが当たり前の雰囲気になってきた」と話す。

同センターが春・秋の学期ごとに対象学生の取得単位数、GPA(成績評価)などを把握。2期連続で「最低基準単位」を下回った場合、練習の制限や対外試合の出場停止措置を大学教員が務める部長に依頼する。

最低基準は突破したが「要指導単位」に該当した学生については部長に指導を要請する。

WAP導入後、体育各部の学生の留年率が下がり、GPAは向上。「授業に出席しない、出席しても寝ているといったネガティブなイメージはなくなった」(石井所長)

関西学院大も19年度から、体育会の学生を対象とする新制度を導入する。単位の取得数に応じて、対外試合への「出場資格あり」「条件付き出場資格あり」「出場資格なし」と判定。「資格なし」の場合、6カ月間の出場停止処分を出す。「条件付き」は、論文の書き方などのプログラムを3カ月間受講することを求める。

大学によっては、運動部に公式試合での勝利が強く求められ、学業より部活動が優先される風潮が続いてきた。ただ、プロや実業団に進む選手はごく一部。スポーツに打ち込むあまり単位不足で留年・退学したり、就職で苦労したりする問題が指摘されてきた。

スポーツ庁関係者によると、運動部所属の学生に成績基準を設けている大学はまだ10校程度。19年2月に設立予定の大学スポーツの統括組織「大学スポーツ協会(UNIVAS)」は、加盟する全大学に22年度から成績基準を課す方針だ。

同庁のUNIVAS設立準備委員会は、各競技の学生連盟に所属する全運動部員について、学年ごとに一定の単位を取得しなければ対外試合への出場を不可とする方向で調整している。単位取得を証明できる成績書が提示されれば、どのタイミングでも復帰可能とする。

準備委メンバーの友添秀則・早稲田大教授(スポーツ教育学)は「これまで大学スポーツは競技中心で、学生の勉学は個々に任せる野放しの状態だった」と指摘する。全米大学体育協会(NCAA)では、体育会に所属し続けるために必要な取得単位数などの基準を定めており、「UNIVASでも一律の基準を設けて運動部学生の質を確保したい」と話している。

[日本経済新聞朝刊2018年11月10日付]

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