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住宅ローンや保険 同性カップルも夫婦と同じ扱いに

2018/11/15

写真はイメージ=PIXTA

同性パートナーも異性のパートナーと同じような扱いをする金融商品が少しずつ増えてきたと聞きました。必要な書類など具体的なことを教えてください。

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一部の金融機関が、性的少数者(LGBT)が利用しやすいように商品の要件を緩和し始めた。保険や住宅ローンなどで、公的証明書などを提出すれば同性カップルを異性のカップルと同様に取り扱う。日本のLGBTの比率は約8%といわれており、金融商品もそれに対応する。

生命保険では、日本生命保険や第一生命保険が同性パートナーを保険の受取人に指定できる。日本生命の場合、死亡保険金の受取人は「原則、配偶者か2親等以内の血族」だが、配偶者と同じ扱いにする。東京都渋谷区、札幌市など一部自治体が発行する同性カップルの公的証明「パートナーシップ証明書」を提出。訪問して同居実態を確認する場合もある。

損害保険では東京海上日動火災保険が2017年、火災保険、自動車保険の補償対象を同性パートナーにも広げた。自動車保険の夫婦限定割引などの対象にできるほか、パートナーの損害賠償も補償する。住民票とパートナーであることを確認する書類が必要だ。

損害保険ジャパン日本興亜は18年1月から自動車保険で対応、三井住友海上火災保険は19年1月から同様に取り扱う。

東京海上日動火災保険の「パートナー関係に関する自認書兼同意書」

住宅ローンでも法律上の配偶者と同じ扱いをする動きが進む。みずほ銀行は17年7月、2人がローンを組んで互いに連帯保証人になる「ペアローン」などで対応を始めた。同年10月にはパートナーシップ証明書だけでなく、任意後見人を互いに指定した公的証明書でも受理するようになった。

住信SBIネット銀行、ソニー銀行、地方銀行では大垣共立、滋賀、琉球なども住宅ローンの契約要件を緩和。楽天銀行では公的証明書なしで連帯債務の手続きができる。ただし、リクルート住まいカンパニーの「スーモカウンター新築マンション」でマンションを買う予定の人に限る。

みずほ銀行は本人以外の家族もキャッシュカードを持てる「代理人カード」について、同性パートナーも持てるようにした。みずほ信託銀行ではあらかじめ指定しておけば、相続時に信託財産を受け取れる。

他の金融機関でも証明書提出など最低限の基準を設けつつ、契約の要件緩和を検討する動きがある。金融機関は新たな需要の掘り起こしにつなげる。

国内金融機関の動きはまだ一部だが、NPO法人「虹色ダイバーシティ」の村木真紀理事は「金融機関が柔軟な対応をすることによってLGBTの人生の選択の幅が広がる」と歓迎している。

[日本経済新聞朝刊2018年11月10日付]

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