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定年楽園への扉

定年ライフが生き生き 現役時代の挫折はむしろ財産 経済コラムニスト 大江英樹

2018/11/29

写真はイメージ=123RF

最近、すでに定年を迎えた人や定年間近の人たち何人かに取材する機会がありました。いずれも会社員や公務員として働いてきた人たちでしたが、現在は起業家として活躍するなど、今の生活を生き生きと過ごされている方ばかりでした。

取材していて、ほとんどの人に共通する点があることに気が付きました。それは現役時代に何らかの挫折を味わっているということ、そしてその挫折を転機としてそれまでの考え方や生き方を変えたということです。

挫折の多くは病気や仕事での大失敗、そして左遷といった出来事です。誰でもこういう事態に直面すると大なり小なりショックを受けるものです。取材した人たちも当時はかなりのダメージだったようです。

■心機一転、新しい立場で挑戦する

ある人はこんなことをおっしゃっていました。「異動を命じられたときは『こんなに頑張ってきたのに、この仕打ちはないよな』と思った」。でも、落ち込みはしましたが、同時に何だかとても気持ちが楽になったそうです。

そして逆にこう考えたといいます。「これだけ頑張ってきたのだから、こうして楽になれたのかもしれない」。つまり、今までの座標軸で物事を考えるのではなく、心機一転、新しい立場で挑戦してやろうと思うようになったというのです。

もちろん、その境地に至るまでは心の中で様々な葛藤があったでしょう。誰もがこんなふうに考えられるわけではないでしょうが、病気、左遷といったつらい出来事も自分に与えられたひとつの運命だと考えて、受け入れるのは素晴らしいことです。

別の方は病気で会社を長期休職しなければならなくなりました。休んでいる間に生き方を考え、仕事や人生に対する発想を変えたことがその後の起業につながったといいます。

挫折を経験した人が皆さん異口同音におっしゃるのは、「今から思えばあれが人生を変えるきっかけになった。それまで走り続けて見えなかったものが初めて見えてきた」ということです。

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