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大海原の星空・国立公園 豪華フェリーはイベント充実

新造船フェリーで行く船旅入門(後編)

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NIKKEI STYLE

新造船フェリーで行く船旅、前編に続いて後編は2018年9月に就航した「さんふらわあ きりしま」(大阪-鹿児島・志布志)と、香川県の直島と高松港や宇野港を結ぶ「あさひ」(18年3月就航)を紹介します。

今回、新造船「さんふらわあ きりしま」の記念すべき就航初日に乗船。下船後には、霧島周辺を観光する2泊3日の旅を計画しました。

にっぽん丸のデザイナーが手掛けた内装

大阪南港から夕刻、さんふらわあ きりしまに乗船。16時間の船旅の後、鹿児島に翌朝到着。その後は妙見温泉(鹿児島県霧島市)に宿泊し、タクシーをチャーターして霧島かいわいの観光を楽しみました。

きりしまの内装デザインを手掛けたフラックス・デザイン代表の渡辺友之氏は、同じグループの商船三井客船「にっぽん丸」の内装も手掛けたデザイナー。船らしい「丸い窓」のデザインを船内にふんだんに取り入れています。

入り口を入ってすぐの3層吹き抜けのアトリウムからレストランにつながる「プロムナード」は、さんふらわあが目指す「交通手段からカジュアルクルーズへのシフト」がしっかり伝わるデザイン。「フェリーの内装は今までシンプルでしたが、今回の新造船では人工木材(メラミン化粧版)だけでも全体で50種類以上と、多種多様な素材を使いました」(渡辺氏)。

フェリーのパブリックスペースの内装は、これまでは抽象的なものが多かったのですが、今回はシンプルに行き先(鹿児島)をテーマにしたそうです。アトリウムも、ところどころに飾られている絵も、レストランや展望浴場にも、鹿児島にゆかりがあるものがちりばめられています。

また、渡辺氏がこだわった点が2つあります。1つは、船の空間に入った瞬間に、別世界へと「スイッチ」が切り変わるような演出でお客様に「ワクワク感」を感じてもらうこと。2つめが、乗組員にとっても新しい船に乗ることで「キリッと元気に、輝いて仕事ができる」こと。乗組員とお客様の両方に喜んでいただける工夫をしているそうです。「モーダルシフト」などでフェリーの位置付けがより重要度を増している今の時代、乗組員にも意識を向けてデザインしたというお話は印象的でした。

学びや文化交流の船内イベント、ソフト面も充実

この日は乗船してすぐにビンゴ大会やクイズラリーがありました。夜のプロムナードではバンド演奏、さらに吹き抜けのアトリウムの天井にプロジェクション・マッピングで星座を映し出しながら「星座教室」が開催されました。

最近では、有識者による講演会を船内で開催する「さんふらわあ大学」や、ベリーダンスのショー、朝一番のヨガ体験なども企画。「さんふらわあの唄」に合わせて体を動かせる体操も制作中とのことで、ソフト面でも工夫が感じられました。

食事はビュッフェ形式で、夕食が2000円、朝食が620円とリーズナブル。実はそれほど期待をしていなかったのですが、バリエーションが多く、鹿児島の食材を使ったメニューもあって、とてもおいしくいただきました。船上での食事はなぜかワクワクして、普段の3倍くらい食べました。お酒も進みますね。

船には展望浴場があり、この航路は朝も営業しているので、大きな窓から海の景色を眺めながらお風呂につかれます。

デラックス和室とウィズペットルーム

今回は2室しかない「デラックス和室」(約20平方メートル)を予約。小さい頃、家族旅行で乗ったフェリーの和室の思い出があるので選びました。窓の障子を開けると何と船首ビューという、船好きにはたまらないお部屋。靴を脱げる和室は、子連れ旅にも、夜通しおしゃべりしたい女子旅にも最適です。私も売店でお酒とおつまみを買い、座卓を囲んで船上プチ宴会をしました。船上の和室は、日本人だけでなく旅好きな外国人にとっても魅力的だと思います。

大切なペットと一緒に旅したい、でも離れたケージには預けたくない。そんな希望をかなえた部屋「デラックス ウィズペットルーム」(約17平方メートル)は10室。ペットと一緒にプチぜいたくな船旅ができます。床が防水加工されていて、エサ皿や水皿、トイレマットも装備。ウィズペットルームの専用エリアはドアで仕切られており、インテリアもペット愛好者向けに工夫され、ドッグランもあります。

より客船に近付いたバルコニーとバスタブ付きスイート

この船で一番いいお部屋「スイート」(約23平方メートル+バルコニー9平方メートル)は全部で10室。全て専用バルコニーとバスタブ付きです。バルコニーで時間を過ごしたい人だけでなく、船酔いが気になる方も、一歩出れば外の空気を感じられるのでおすすめです。内装を手掛けた渡辺氏によれば「広さを保ちつつ人工木材の使い方などで、単調にならないよう工夫をしている」とのことです。

2室だけある「バリアフリースイート」(約30平方メートル)は、バルコニーがない分、船内で一番広い部屋となっています。この日は4人泊まれるようにセットアップされていましたが、とてもゆったりしていました。バルコニーにこだわらず、家族やグループで一部屋に泊まりたい方にはおすすめです。

満天の星空の太平洋航路

大阪南港から紀伊水道を南下し、四国沖を通るのが太平洋航路です。船長の高梨直智氏によると、この航路の最大の売りは「満天の星空」。「太平洋航路は外を見ても何もないんですが、お天気のいい日は、降ってくるような星空を楽しめる航路です。運がよければ流れ星も見られますよ」とのこと。ここが瀬戸内海航路との大きな違いだそうです。私も星座表のアプリをスマホに入れて準備していたのですが、乗船した日はあいにくの曇り空。次回の楽しみとなりました。

季節にもよりますが、運がよければ宮崎県の都井岬あたりでイルカの群れに遭遇することもあるそうです。ブリッジ(操舵室)から確認ができれば船内で放送するとのこと。船旅ならではの出合いですね。

「黒潮」もこの航路ならではのポイント。太平洋航路は、常に気象や潮の条件と闘いながら進みます。下りは黒潮を避けて四国の陸沿いを航行し、上りは黒潮に乗って航行するそうです。台風などの悪天候時には瀬戸内海航路を利用しますが、こちらは圧倒的に航行する船が多いので、それを避けていく技術を必要とするそうです。

ちなみに、この航路では何が運ばれているのか気になって聞いてみたところ、大阪からは飼料(牛や豚、養殖魚向け)、鹿児島からは畜産物(黒豚・黒毛和牛など)や農産物(サツマイモなど)が多いとのことです。

志布志港できりしまを下船した後は、徒歩の人向けにレンタカー受付もありますし、九州新幹線が発着する鹿児島中央駅(鹿児島市)や、種子島や屋久島航路の玄関口となる鹿児島港南ふ頭(同)までは、さんふらわあライナーという無料送迎バスが出ています。マイカーでの利用客は、九州を周遊して、帰りは同じさんふらわあ系列の大分・神戸航路、または別府・大阪航路(どちらも瀬戸内海を通る航路)で帰る方も多いそうです。

瀬戸内海国立公園を堪能する新造船フェリー

続いて、アートの島・直島と、高松・宇野(岡山県)を結ぶ四国汽船「あさひ」(987トン)です。高松市出身の私にとってはなじみのある航路ですが、18年3月にあさひという新造船が就航したと聞いて、高松・直島間を往復乗船してきました。瀬戸内海国立公園を行く約1時間の船旅は、「直島に行くための時間」から、「船そのものを楽しむ時間」にさま変わりしていました。今回は、四国汽船社長の野崎ひとみ氏に一緒に乗船していただき、高松-直島の1時間の船旅を楽しみながら、新造船での工夫やこだわりをお聞きしました。

まず印象的だったのは、船の側面に広がる大きなパノラマの窓。海面近くから広々とした海を見渡せる工夫がされていました。「大きなパノラマの窓から見える瀬戸内の流れゆく景色が、このフェリーの一番のおすすめです」(野崎氏)。

宇野-直島は20分ですが、高松-直島(乗船券大人520円)は1時間の船旅を楽しめるので、高松-直島がおすすめとのこと。時間だけでなく、この航路の方がより美しい「瀬戸内海国立公園」の多島美が楽しめると、地元出身の私も思います。

また、窓に向かって座れる「ビューシート」もおすすめ。ここにずっと座って瀬戸内海を眺めるだけでも1時間があっという間に過ぎます。甲板に上がれば屋外に心地よい椅子が並び、潮風に吹かれながら景色を楽しめる工夫もされていました。時間や季節によっても景色は変わり、乗る度に違う海の自然を楽しめるのがこの航路のいいところだと思います。

島の生活と経済も支える

あさひは観光だけでなく、貨物船としても重要な役割を果たしています。直島は今でこそアートの島として有名になっていますが、元々は三菱マテリアル直島精錬所が経済を大きく支えていた島。その関係の荷物なども多く運搬されているそうです。

宅配便のドライバーさんが2人乗船されていたので、お話を聞いてみました。毎日トラックと軽自動車を1台ずつ載せて直島に渡っているそうです。トラックで会社を回り、軽自動車で道が細い住宅街を回るとのこと。

伝票の整理をしていたドライバーさんの手元にはアマゾン・ドット・コムからの荷物伝票がたくさんありました。直島に勤めている知人によると、アマゾンとアスクルは離島チャージがかからないため(ただしアマゾンはAmazon.co.jpが発送するもの)「生活に欠かせないショッピングサイト。これがなくなると困る」と話していました。島の生活を支えるネットショッピングの裏に、あさひの活躍もあります。

◇  ◇  ◇

海に囲まれている日本なのに、船旅は意外と日常からは遠いもの。船旅の入門編として手ごろなフェリーはこれからさらに人気が高まりそうです。気軽でありながらも奥が深いフェリーの世界。機会があればまたご紹介したいと思います。

津田千枝
 大手外資系通信社にて、海外広報コンサルティングと営業を担当。総合旅行業務取扱管理者。小型船舶免許を保有、趣味はピアノと旅行。「高祖父の津田弘道は明治政府に任命され、日本最初の世界周遊海外視察に派遣されました。グローバルな旅への憧れは高祖父譲りかもしれません」

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