露天風呂や客室充実 豪華フェリーの16時間クルーズ新造船フェリーで行く船旅入門(前編)

「らべんだあ」ブリッジから船首側を望む景色(写真:津田千枝)
「らべんだあ」ブリッジから船首側を望む景色(写真:津田千枝)

車やバイクと一緒に乗船し、独特の旅情があるフェリーの旅。最近、新造船が相次いで登場し、船旅事情はさま変わりしています。船の旅の取材を続けている津田千枝さんが、新しいフェリーの旅を2回にわたってレポートします。

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ここ数年、フェリーの新造船が相次いで就航しました。かつてフェリーといえば「雑魚寝」のイメージがありましたが、新造船はクルーズ客船並みの施設を備え、個室を増やし、「移動手段」から「船上の時間を楽しむ手段」へと変化しています。

新造船は、バルコニー付きのスイートやデラックスルーム、ペットと一緒に泊まれる部屋などの個室が充実。露天・展望風呂、吹き抜けのアトリウム、地元食材を取り入れたレストランなど、船上で楽しめる工夫が盛りだくさんです。

そこで2017年以降に新造船が就航したフェリーを3船選び、乗船取材しました。今回は「らべんだあ」(新潟-小樽)、次回の後編は「さんふらわあ きりしま」(大阪-鹿児島・志布志)と「あさひ」(高松-直島)を紹介します。

特別感ある広いスイートと船上の露天風呂

以前に紹介したクルーズ客船と比べれば、フェリーは手軽で気楽。もともと物資を運ぶ重要な公共交通機関であるフェリーですが、新造船ではその役目も果たしながら、非日常感たっぷりの船旅も提供してくれます。

スイートやデラックスなどちょっと豪華な客室でも、フェリーなら手が届きやすい料金設定。船旅で一番心配な「船酔い」も、乗船時間がそれほど長くないので大丈夫かなという安心感があります。一人旅、グループ旅、家族旅行、ペット同伴の旅や愛車でのドライブ旅など、いろいろな旅スタイルが可能です。そして船旅は、不思議と思い出に深く刻まれます。私が小さい頃、家族でフェリーに乗った高松-別府航路(旧関西汽船)の旅は今でも鮮明に覚えていて、船上の和室に感動した記憶があります。

今回はまず、17年3月に就航した「らべんだあ」(新日本海フェリー)に乗りました。この船を選んだ理由は、新潟発・小樽着が魅力的だったこと、日本海の船旅を楽しめること、4室ある広い空間のスイートルームと名物施設「船上露天風呂」が魅力的だったことです。東京から上越新幹線で新潟に行き(約2時間)、タクシーで新潟港へ(約15分)。フェリーに乗船し、船中で1泊。小樽に到着後、市内で1泊して、帰りは飛行機で新千歳空港から羽田に戻ってくるという2泊3日の旅でした。

新日本海フェリー「らべんだあ」は2017年3月に就航
エントランス近くの3層吹き抜けのアトリウムは、クルーズ客船のよう