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露天風呂や客室充実 豪華フェリーの16時間クルーズ

新造船フェリーで行く船旅入門(前編)

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NIKKEI STYLE

車やバイクと一緒に乗船し、独特の旅情があるフェリーの旅。最近、新造船が相次いで登場し、船旅事情はさま変わりしています。船の旅の取材を続けている津田千枝さんが、新しいフェリーの旅を2回にわたってレポートします。

◇  ◇  ◇

ここ数年、フェリーの新造船が相次いで就航しました。かつてフェリーといえば「雑魚寝」のイメージがありましたが、新造船はクルーズ客船並みの施設を備え、個室を増やし、「移動手段」から「船上の時間を楽しむ手段」へと変化しています。

新造船は、バルコニー付きのスイートやデラックスルーム、ペットと一緒に泊まれる部屋などの個室が充実。露天・展望風呂、吹き抜けのアトリウム、地元食材を取り入れたレストランなど、船上で楽しめる工夫が盛りだくさんです。

そこで2017年以降に新造船が就航したフェリーを3船選び、乗船取材しました。今回は「らべんだあ」(新潟-小樽)、次回の後編は「さんふらわあ きりしま」(大阪-鹿児島・志布志)と「あさひ」(高松-直島)を紹介します。

特別感ある広いスイートと船上の露天風呂

以前に紹介したクルーズ客船と比べれば、フェリーは手軽で気楽。もともと物資を運ぶ重要な公共交通機関であるフェリーですが、新造船ではその役目も果たしながら、非日常感たっぷりの船旅も提供してくれます。

スイートやデラックスなどちょっと豪華な客室でも、フェリーなら手が届きやすい料金設定。船旅で一番心配な「船酔い」も、乗船時間がそれほど長くないので大丈夫かなという安心感があります。一人旅、グループ旅、家族旅行、ペット同伴の旅や愛車でのドライブ旅など、いろいろな旅スタイルが可能です。そして船旅は、不思議と思い出に深く刻まれます。私が小さい頃、家族でフェリーに乗った高松-別府航路(旧関西汽船)の旅は今でも鮮明に覚えていて、船上の和室に感動した記憶があります。

今回はまず、17年3月に就航した「らべんだあ」(新日本海フェリー)に乗りました。この船を選んだ理由は、新潟発・小樽着が魅力的だったこと、日本海の船旅を楽しめること、4室ある広い空間のスイートルームと名物施設「船上露天風呂」が魅力的だったことです。東京から上越新幹線で新潟に行き(約2時間)、タクシーで新潟港へ(約15分)。フェリーに乗船し、船中で1泊。小樽に到着後、市内で1泊して、帰りは飛行機で新千歳空港から羽田に戻ってくるという2泊3日の旅でした。

新日本海フェリー新潟支店長の寺田光徳氏によると、海に隣接していない埼玉県、群馬県、長野県から多くの乗客が来られるそうです。確かに新幹線に乗れば新潟まではすぐですね。もちろん車やバイクが大好きな人は、愛車で海を越えて北海道旅行。2室あるウィズペットルームも、ペットと同じ部屋で泊まれて大人気だそうです。船尾にあるヘリポートがドッグランになっています。

らべんだあの一押しが「約39畳の広いスイートルーム」と「船上露天風呂」。心地よい船の振動と日本海の潮風を感じながらつかれる露天風呂は非日常感たっぷりです。らべんだあの船長、大内司氏も「毎日、空も海も見ていますが、船の中で露天風呂が一番好きです」とのこと。女性用風呂は左舷側なので、新潟発小樽行きでは天気がよければ、露天風呂につかりながらサンセットが眺められます。

バルコニー付きのスイートルームは、39畳というその広さにまずびっくり。今回はスイートに宿泊してみました。船上での広い空間はとても癒やされますし、寝心地も抜群。室内に展望風呂があるので、朝4時半に小樽に到着した後、下船時刻を6時まで延ばせる「ゆっくり下船」サービスを利用すれば、朝の景色を見ながらのお風呂も楽しめます。

スイートの他にも、靴を脱いで上がる「ステートルーム和洋室」(約10畳)や「デラックスルームA 和室」(約11畳で畳部分は6畳)は、子連れ旅には特に便利だと思います。

閑散期のシングルユースはお得

らべんだあで特におすすめなのは繁忙期(夏の約1カ月)を外した一人旅。一人で利用してもスイートやデラックスの個室に同一料金で泊まれるのです。友達との旅であっても、それぞれが個室に泊まりたい場合にもおすすめ。料金はスイートが約4万円(旅客運賃)、デラックスが2万~3万円です(ただし繁忙期の7月中旬から1カ月ほどは、一人利用は貸し切り料金として部屋代の半額が追加される)。仕事をしているとなかなか友人や家族と予定を合わせにくいので、週末や連休にフラッと一人旅で気分転換するのもいいと思います。

船上での食事も船旅の楽しみの一つ。らべんだあにはカフェ、レストラン、グリル(コース料理)があります。カフェで購入したものはテークアウトして部屋でも食べられるので、子連れ旅行や一人旅、個室の乗客に人気のようです。夏季にはデッキに屋台が出て、ジンギスカンランチ(1100円)や、生ビールなど船上ビアガーデンを楽しめます。潮風に吹かれながらのジンギスカンランチは格別でした。

レストランはトレーに好きなものを取って最後にレジで会計をする方式。乗船時はちょうど「北海道フェアー」の開催中で、おいしそうなメニューが満載でした。

スイートの乗客には、コース料理を提供するグリルでの食事が乗船代に含まれています。ただ、窓のないレストランだったことと、一人旅から子連れまでいろいろな旅スタイルの乗客がいるので、今後はスイートの乗客も好きな場所で好きな料理を選べるプランがあるといいなと思いました。

売店はまるで船上アンテナショップのよう。新日本海フェリーの各寄港地からの商品がたくさん並んでいました。私のお気に入りは「アルミアイススプーン」(700円)。自分の体温がスプーンを通じて伝わり、アイスクリームがすくいやすくなるという優れもの。お酒は、新潟の日本酒や小樽のワインなどが豊富にそろっています。おつまみと一緒に買って、部屋でゆっくり味わうのもいいですね。

繁忙期には船内でビンゴ大会、クイズラリー、手品など、いろいろなイベントも企画されています。

他船との情報交換で揺れを軽減

大内船長が航海中に一番重視しているのが「揺れを軽減すること」。新造船では制御技術も進歩していますが、やはり最後はマニュアル操船。同じ航路の姉妹船「あざれあ」と擦れ違うときに情報を交換して、「〇〇の海域はイカ釣り漁船が多いですよ」と報告を受けると早めにかじを切って揺れを軽減するそうです。気象や海域の状況についても情報交換をして、予想と実況の差を埋めるとのこと。定期航路のよさですね。

フェリーは、物資を運ぶ重要な公共交通機関でもあります。モーダルシフト(CO2削減に向け、トラックから鉄道や船に運送手段を転換すること)の促進によってフェリーの貨物量は増加しています。新造船では高速化(航海時間短縮)によって、より遠くの地域からより多くの物資を運べるようになったそうです。それに伴って、トラックのドライバー専用の部屋を完全個室(テレビ付き)にしたり、専用の食堂や風呂を備えたりするなど、ドライバーがしっかり休息を取れるように工夫されています。これは物流業界の「働き方改革」にもつながります。

実際にこのフェリーで何を運んでいるか聞いてみたら、新潟から小樽へは日用品を、小樽から新潟へは北海道産の農産物(ジャガイモ、トウモロコシなど)や畜産物を運んでいるそうです。フェリーの売り上げの7割は貨物、3割が旅客。車両甲板には、トラック150台、乗用車22台が乗れるそうです。

さらに災害時には、多くの人や車両、そして救援物資を運び、ホテルシップとして活用されるなど、社会的に大きな役割も担っています。

津田千枝
 大手外資系通信社にて、海外広報コンサルティングと営業を担当。総合旅行業務取扱管理者。小型船舶免許を保有、趣味はピアノと旅行。「高祖父の津田弘道は明治政府に任命され、日本最初の世界周遊海外視察に派遣されました。グローバルな旅への憧れは高祖父譲りかもしれません」

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