焼き芋にトリマー 19年はニッチ家電にヒットの予感
日経トレンディ12月号で2019年の「ヒット予測100」を特集した。その中から今回はデジタル製品と家電製品を紹介する。デジタル分野ではスマートスピーカーや、ワイヤレスイヤホンなどがさらなる進化を遂げる。家電では「焼き芋を作る」「尻の毛をそる」など、用途を超限定した小型家電にヒットの芽がまだある。
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【スマートディスプレイ】
タッチ画面を備えたスマートスピーカーが18年末以降に続々と日本で発売され、市場が活性化する。12月にはアマゾンが10.1型画面付きの「Echo Show」を発売予定。タブレットのようにも使え、利用者の裾野が広がりそうだ。Googleアシスタント対応モデルも海外では発表されている。
【途切れない完全ワイヤレスイヤホン】
イヤホンの左右をつなぐケーブルがない完全ワイヤレスイヤホンは、ときどき片耳しか聞こえなくなることがあった。米クアルコムは、対応スマホとの組み合わせで音を途切れにくくする技術を開発。バリュートレードなどが対応製品を出す。
【フルサイズミラーレスカメラ】
ソニーに続き、キヤノンやニコンもフルサイズ(35mm)のミラーレスカメラを発売。今後「ストックフォトで稼ぐ写真家などに大きな需要があるので、10万円前後のフルサイズ機も意外に早く出る」(BCNの道越一郎氏)との声も。
【キーボードレスノートPC】
通常のキーボードの代わりに、手書き対応の電子ペーパーに表示されるキーで入力する、斬新なノートPC「Yoga Book C930」をレノボ・ジャパンが発売する。液晶画面もペン入力やタッチ操作が可能。事前予約は好調という。
【Snapdragonパソコン】
スマホやタブレット用のプロセッサーだったSnapdragonを搭載したノートパソコン「Yoga C630」をレノボ・ジャパンが年内に発売する。駆動時間が25時間と長く、スリープからの復帰もスマホ並みに速いという。
【DFree】
「外出したいが尿漏れが怖い」という悩めるアクティブ高齢者に福音。超音波センサーを腹部に貼ることでぼうこうの変化を検知し、排尿を予測する「DFree Personal」が7月、一般向けに発売された。実勢価格4万9800円(税別)。
【HUDヘルメット】
ジャパンディスプレイは車載用ヘッドアップディスプレイ(HUD)の技術を活用し、視線をそらさずに情報を確認できるヘルメットを開発。現時点ではコンセプトモデルだが、簡易モデルが19年に登場する可能性も。サバゲーなどエンタメ用にも広がりそうだ。
家電は防災用になる製品にも注目
【焼き芋メーカー2.0】
17年9月に発売されて好評だったドウシシャの「焼き芋メーカーBake Free」。18年10月にプレートを追加した新型が発売され、話題を集めている。11月上旬にはドン・キホーテからも焼き芋メーカーが登場する予定で、さらなるブレイクは必至だ。
【スマート宅配ポスト】
17年にブレイクした宅配ボックスをLIXILがさらに進化させた。ネットにつながり、宅配業者とのビデオ通話などが可能に。複数個の荷物が受け取れる他、自分がいないときに集荷してもらう機能も備える。実勢価格はセットで26万6000円(税別)。
【コードレススチーマー】
衣類スチーマーでは後発の東芝ホームテクノが、業界初のコードレス化を実現した「La・Coo S TAS-X4」で攻勢に転じる。およそ1分半ごとに30秒の給電が必要だが、利便性は劇的に向上。毎日使っても苦にならなそうだ。
【モテライト DL-G508】
懐中電灯、スタンドライト、モバイルバッテリーの1台3役で使える商品をドウシシャが11月に発売予定。ベッドサイド照明や、アウトドアでの携帯照明としても使える。普段使いに加え、災害への備えとしても人気を集めそうだ。
【押忍! ケツ毛トリマー】
ドン・キホーテは、男性向けトリマーを10月に発売。鏡やライト付きで、すね毛などだけでなく、尻の毛のケアもしやすくしたのが画期的だ。人気を集めたパナソニックのボディトリマーよりも手頃な価格で、美容家電の裾野が広がりそうだ。
【光ドライヤー】
マクセルが美容家電の新ブランド「llexam」から、温風でなく光のエネルギーで乾かす光ドライヤーを11月25日に発売する。風より熱が均一に伝わり、髪が傷みにくい。実勢価格は4万5000円(税別)で、当面はサロン向けにのみ販売。
[日経トレンディ2018年12月号の記事を再構成]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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