長期投資の鉄則 買った値段は気にしない(苦瓜達郎)大和住銀投信投資顧問シニア・ファンドマネージャー

写真はイメージ=123RF
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「長く株式投資を行っていると、株安で厳しい状況に陥ることは避けられない」

10月上旬からの株価下落は厳しいものでした。米国と中国の貿易摩擦問題に加え、米国の金融引き締めも懸念材料として意識され、世界中の株式相場が大幅に下落しました。

日本でも海外市場の影響を受けやすい外需系の製造業関連銘柄が急落し、東証マザーズ上場銘柄を中心に相場は大荒れとなりました。私自身も収益面での割安さを重視し、製造業関連銘柄に投資していたため、小型株市場全体のパフォーマンスと比べても厳しい状況となっています。

長く株式投資を行っていると、このような厳しい状況に陥ることはどうしても避けられません。今回はいま私が市場をどのように捉えているか、さらには一般に持ち株が下落したときにどう考えたらいいのか、についてお話したいと思います。

ファンダメンタルズは悪いことばかりではない

10月の株価下落については、ちょっと行き過ぎだったように感じています。そもそも、日本の小型株のパフォーマンスのピークだった2018年1月末ですら、製造業関連銘柄の株価は米国の強硬な通商政策やいずれ来るであろう景気後退のリスクを織り込んでおり、割安な水準にとどまっていました。

その後、現時点までに実現した米国の通商政策は、日本経済にとっては心配していたほどのものではなかったといえます。引き続き今後の動向に注意する必要はありますが、改めて悲観する必要はないと考えています。

中国はここまででかなり痛手を被っていますが、一方で周辺国に関しては中国からの生産移転が加速するというプラス要因も考えられます。また、中国政府は景気対策として公共工事の積み増しも行なっており、鉄鋼をはじめとする資材市況に関しては下支え要因となっています。

半導体設備投資、自動化投資、欧州自動車メーカー向けといった分野では減速感が強まっていますが、これらは過去のやり過ぎや誤った経営方針の修正という面が強く、構造的に成長要因が崩れたわけではありません。

半導体メーカーに関しては、かつてのシリコンサイクルと異なり、依然として高水準の利益を上げている状態で投資の絞り込みを行なっています。需給バランス改善の兆しが表れれば、再加速までのタイムラグは短いと予想しています。

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