「食事の前にプレーンヨーグルトを食べる、『ヨーグルト・ファースト』を心掛けてみてください」と八木さん。

食事の前にヨーグルト!? これは初耳。ヨーグルトは食後にとるのがいいと思っていたけど、最初に食べるとどんな効能があるのでしょう?

「私たちの研究から、白米を食べる前にプレーンヨーグルトを食べたグループは、白米だけのグループに比べ、食後血糖値の上昇が抑えられることが確認できました(図2)」(八木さん)

20~40代の男女各10人を対象に、3つの食べ方を実践してもらい、食後の血糖値を測定した。その結果、白米だけを食べたグループに比べ、ヨーグルト200gを先に食べ、その後に白米を食べたグループのほうが血糖値の上昇が抑えられた。(Glycative Stress Res. 2018;5(1):68-74.)

八木さんによると、ヨーグルトが食後血糖値の上昇を抑える働きは2つあるという。

「1つは乳酸の働きによって、胃から小腸へと移動する速度を緩やかにすること。そしてもう1つはヨーグルトに含まれるホエイ(乳清)に含まれているペプチドが血糖値の上昇を抑制するホルモンであるインスリンの分泌を促進するのです。この2つの働きによって、血糖値の急上昇が抑えられると考えられます。1回に食べる量は100~200gを目安にしてください。ただし、選ぶのはプレーンヨーグルトです。砂糖をかけて食べたり、加糖タイプのヨーグルトを選んでは意味がなくなってしまいます」(八木さん)

ほほー、プレーンヨーグルトならコンビニでも入手できるし、思い立ったらすぐできそう。そのまま食べるのはもちろん、サラダのドレッシングに利用してもいいそうだ。

抗糖化作用のある食物をとる

次の対策は「糖化反応の抑制」。つまり、糖化反応を抑制する作用(抗糖化作用)のある食物を積極的にとることで、糖化からカラダを守ろうというものである。八木さんによると、抗糖化作用を持つ植物素材があることが報告されているという。

「具体的には、ごぼう、レンコン、モロヘイヤ、枝豆、アスパラガス、大豆などに抗糖化作用が期待できます(図3)。また、こしょうやチリパウダーといったスパイス類、ローズマリーやバジルなどのハーブ類、味噌、醤油といった日本の伝統的な発酵食品、さらにはレモンや梅干しなどクエン酸を含むものにも同様の作用が期待できます。これらの食材を組み合わせて、日々の食事に取り入れてください」(八木さん)

※八木さんが監修した『老けない人の食習慣』(辰巳出版)を参考に作成

おお、おつまみになりそうなものばかり! 八木さんによると、「これらの野菜やスパイス類に含まれるポリフェノール類に抗糖化作用があると考えられている」のだという。植物以外では、先ほど登場したヨーグルトにも抗糖化作用が期待できるそうだ。

つまりは、家飲み、外飲みともに、これら抗糖化作用のある食材を使ったおつまみを選べば、糖化の抑制に一役買ってくれるというわけだ。ここで言うなら、塩ゆでした枝豆、レンコンのきんぴら、アスパラの豚バラ巻きなんてどうだろう? いかにもお酒が進みそうで喉が鳴る。

また、糖質をとるときは、セットで食べる食材に気を配るといいという。「糖質の高いポテトサラダなどを食べたいときは酢の物とセットにする、〆(しめ)のお茶漬けがどうしても食べたいときは梅干しを入れるなど工夫するといいでしょう」(八木さん)。もちろん“毎回〆のお茶漬け”はNGにしても、絶対食べちゃダメというのでないなら、ストレスなく続けられそうだ。

緑茶や健康茶にも、抗糖化作用が期待できる

このほか、緑茶や健康茶などにも抗糖化作用が期待できるという。

「ポリフェノールの一種であるカテキンを含む緑茶などにも、AGEsの生成抑制機能が期待できます。このほか、ポリフェノールの一種クロロゲン酸を含むコーヒー、カカオポリフェノールを含むココアも同様の効果が期待できます。なお、コーヒーはブラックにするなど、苦みを味わう工夫も必要です」(八木さん)

八木さんたちが80種類以上の健康茶を調べた結果、「効果が期待できると判明したのは、甜茶、ドクダミ茶、ルイボスティー、柿の葉茶、しそ茶、グアバ茶、バナバ茶、クマザサ茶などがあります。単独で飲んでもいいのですが、ブレンドすることによって相乗効果が生まれます」(八木さん)

左党脳を持つ身としてはすぐに緑茶ハイ、ルイボスティーハイという考えが浮かんでしまうのだが、これはあくまでお茶として飲んでほしい。1日1~2杯も飲めば、効果は期待できるという(※一度できてしまったAGEsは分解されにくいが、AGEsを分解する作用を持つ成分も報告されている。具体的には、ヨモギ、ざくろ果実、ゆず果皮などに確認されている。また八木さんによると、甜茶やクマザサ茶などの健康茶にもAGEsの分解抑制を促進する可能性があることも分かってきたという)。

なお、AGEsは食品にも含まれており、この一部が体内に取り込まれるという報告もある。一般にAGEsは焼いたり揚げたりした食品に多く含まれるといわれており、揚げ物や焼き物は控えたほうがいいという意見もある。

ただし、八木さんによると、現時点ではまだ明確になっていないことも多いのだという。「食品の加熱調理には、衛生状態の確保、色目や風味の付与などプラスの要素も多くあります。揚げ物、焼き物ばかりをたくさん食べるといった食生活は避けていただきたいのですが、野菜なども一緒にとるなどバランスよく食べていれば、過度に気にする必要はないでしょう」と八木さんは話す。

やはり「適量」に抑えるのが大切、深酒は厳禁!

さて、ここまでで普段の食生活における糖化対策は分かった。では飲酒はどう気をつけたらいいのだろう? 八木さんは「もうイヤというほど聞いていると思いますが…」と話し始めた。

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日本酒やワインが糖化を抑えてくれる