「本格派」と「イージー派」 進むスーツの二極化今どきスーツ最新事情(下)

MEN’S EX

2018/11/13

スーツ多様化の時代こそ節度を大切にすべき

金森 先ほど山浦さんから“スーツ需要の二極化”の話を伺いましたが、私が最近思うのは、働き方の変化によって、スーツを選ぶベクトルが多様化しているということです。

山浦 それはありますね。三越伊勢丹にいらっしゃるお客様も、職種や働き方は本当に様々です。

金森 脱スーツデーや、スポーツ庁のFUN+WALKなど新しい仕事服を奨励する動きもあるなか、今や洗える、伸びるなど快適志向のスーツを否定することはできないと考えています。

中村 かつてスーツスタイルには、多くのステレオタイプがありました。シャツタイの合わせ方やTPO別の装い方、ビジネスはこれを着るべき……とか。でも、今はそんな旧来のステレオタイプが段々と消えて行っている時代だと思いますね。

森岡 我々の世代は「~ねばならぬ」でファッションを学んできました。でも、今はそうじゃないんですよね。イタリアの服にアメリカやイギリスのテイストをミックスするのが旬だったりもしますし。その意味では、スーツはこれからもっと楽しくなりそうです。

中村 ただ、もちろん何でもOKというわけではない。匙加減が重要ですね。

金森 そのとおりですね。仕事着としてのスーツだって、いくらドレスコードが緩くなっても、休日服との線引きは重要です。仕事のスーツは“相手に敬意を払う”ために着るもの。それをベースにしつつ、あとは働き方や場面に応じて、クラシックなスーツでキリッと決めるのか、機能スーツで快適に仕事するのかを選択すればいいのではないでしょうか。“パーソナライズ”が時代のキーワードだと聞きますが、しっかり基準を持ったうえで自分に最適な一着を選ぶことこそ、スーツのパーソナライズだと思っています。

山浦 そうですね。だからこそ、本格スーツもイージースーツも、今の時代には等しく必要だということでしょう。

金森 ただM.E.としては、イージー派の人も一度は、体に沿った上質なスーツを着てみて欲しいとは思います。

中村 仕立てのいいスーツとそうでないスーツとでは、着心地がまるで違いますからね。きちんと作られたスーツはデスクワークしていても窮屈でないですし、動いてもラクなものです。

森岡 本格スーツには本格スーツの快適さというものがあります。それはジャージーのような着心地とは違いますが、シャキッと背筋が伸びるような、独特の心地よさがありますよね。それを全く知らないのはもったいない。

金森 仰るとおりです。“スーツ=窮屈”では決してないということは、声を大にしてお伝えしたいですね。


“相手に敬意を払う服”であることをベースにうまくパーソナライズするのが大事かと(金森)

金森が考える “今の、そしてこれからの”スーツスタイル

“実用”ニーズを反映した、上質スーツの台頭

ニット6万2000円/ジー ゼニア(ゼニア カスタマーサービス)

■Z ZEGNA/ジーゼニアの「ウォッシュ&ゴー」

上質なウール100%の「テックメリノ」素材による家庭洗濯が可能なスーツ。フランネル調で肌触りが柔らかなうえナチュラルストレッチ性も備え、着心地も至極快適だ。パンツはベルトレスで、内側に配されたドローコードでウエストを留めるリラックス仕様。 19万9000円(ゼニア カスタマーサービス)

「(実用ニーズは分かるけれど)“自分の身体に合った”上質なスーツも一度は体験して欲しい」――金森

シャツ3万6000円/リングヂャケット ナポリ(リングヂャケットマイスター206 青山店) タイ1万9000円/ルイ ファグラン(ザ ソブリンハウス) メガネ2万8000円/イエローズ プラス(コンティニュエ) チーフ4000円/フェアファクス(フェアファクスコレクティブ) 時計65万円/グランドセイコー(セイコーウオッチお客様相談室)

■RING JACKET/リングヂャケットの「184」

日本が誇る上質スーツの代表格。「184」はリングのロングセラーモデルで、高めのゴージラインやシャープなフロントカットなどスマートな雰囲気が魅力だ。素材は伊トラバルド・トーニャ社製のウールサージで、リッチな光沢とハリコシを備えたクラシックな表情に。 12万円(リングヂャケットマイスター206 青山店)

〈 Kanamori’s CHOICE 〉

個人的にはこんな色柄が気になります

「ビジネスで着るなら、柄があまり立ちすぎないものが個人的には好みですね。そのかわりに織りに表情があったり、ガッシリと厚手で男らしい雰囲気があったりと、素材感に特徴があるものに惹かれます。それと、最近はストライプ柄が久々に気分です」(金森)

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男と女 ときめくギフト
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