心地よい職場はダメになる 繰り返す衝突が成長の源泉20代から考える出世戦略(46)

しかしそのメンバーたちが別の目的意識を持っていて、そのことについてしっかり主張するようになったとしたら? そこで再び議論が紛糾し、ぶつかりあうこともありそうです。

このとき、以前からいるメンバーからすれば、新しいメンバーの主張は受け入れがたいものかもしれません。既に確立している規範に異を唱えるような存在は、せっかく機能しているチームをないがしろにするものにも思えるでしょう。

しかしそのような考え方こそが、チームをより長く存続させていくための阻害要因になってしまうのです。チームが「うまく機能している」状態の方が一時的なもので、常に新しい変化に対応してゆくことこそが重要なのです。

循環しながら変化を受け入れる

先ほど示したタックマン・モデルは、発表当初から多くの議論を巻き起こしました。その中でも特に、一方向に向かってだけ続くフレームワークへの批判が強かったと言います。そして代案として示されたのが、循環型のモデルです。

このフレームワークの中で最も重要なことは、変化によって「うまく機能する」状態がふたたび「ぶつかりあう」状態に移行する点です。一方向へのモデルでは、変化によって一度チームは解散し、新たに形成されるというように理解されます。しかし実際のチームでは、小さな衝突を繰り返しながら新しいルールを形成し続け、より環境に適した形での「うまく機能する」状態を作り上げていくことになります。

今が最高だ、と思うことはとても素晴らしいことです。

しかしそれが現状への満足を強化してしまい、結果として変化に対する認知を遅らせたり、新しいものへの反発を生んだりすることになっては意味がありません。最高の状態だと思えるタイミングでこそ、健全な危機感を持ち、変化に対して意識を向けてみることが重要なのです。

そうすることで、今所属しているチーム、つまり部署や会社そのものがより高い成果を生み出せるようになるのです。それは私たち自身がリーダーとして成長していくために必要な基本的な考え方でもあります。

平康慶浩
セレクションアンドバリエーション代表取締役、人事コンサルタント。1969年大阪生まれ。早稲田大学大学院ファイナンス研究科MBA取得。アクセンチュア、日本総合研究所をへて、2012年から現職。大企業から中小企業まで130社以上の人事評価制度改革に携わる。高度人材養成機構理事リーダーシップ開発センター長。

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