オリパラ

オリパラSelect

「あと1mでホームの端」 視覚障害者をスマホで案内 五輪に向け、鉄道などバリアフリー化急ピッチ

2018/11/8

床に張られたQRコードにスマホをかざすと音声案内が流れる(東京都江東区)

2020年の東京五輪・パラリンピックに向け、誰もが安心して会場まで移動できるよう鉄道やバスなどの交通機関は現在、バリアフリー化を急いでいる。競技場が集中する都心に路線を持つ東京地下鉄(東京メトロ)では、地下鉄構内を視覚障害者でも移動しやすい駅にしようと、ハイテク技術を使った道案内の実験が進んでいる。取材に出掛け、実情を探ってみた。

「左4メートル、階段」――。

10月中旬。東京五輪・パラリンピックの競技会場となる東京辰巳国際水泳場の最寄り駅を訪れると、地下鉄構内から、こんな音声が響いてきた。

有楽町線の辰巳駅(東京・江東)。音声の発信源は、東京都立川市に住む視覚障害者の男性(29)が持つスマートフォン(スマホ)からだった。辰巳駅では現在、東京メトロが視覚障害者向けにスムーズな構内移動を可能にしようと、新しい音声案内サービスの実証実験が進められている。

仕組みはこうだ。視覚障害者が片手に白杖(はくじょう)を持ち、もう一方の手にはスマホを持った状態で、視覚障害者用の黄色の点字ブロックの上を歩いていく。しばらく進むと、点字ブロックの分岐点に差し掛かった。視覚障害者が困るのは、こうした分岐点での判断だ。

しかし、新サービスでは、分岐点に差し掛かると先ほどの「左4メートル、階段」といった具合に、手に持つスマホから周辺情報が音声案内で知らされる。だから障害者は判断に困らず、安心というわけだ。

スマホのカメラが分岐点に差し掛かると、点字ブロック部分に貼られたQRコードを読み取り、音声案内が流れる。カメラが読み取りやすいよう分岐点には5つのQRコード付きシール(縦横9センチメートル)が貼られてあった。

■試した記者も「安心」実感

利便性はどうか。男性は「とても使い勝手が良かった」と振り返った。普段から地下鉄で外出したい思いはあったが、いつも駅構内の複雑な動線が気がかりだった。だが今回の実験では入り口からホームまで滞りなく歩くことができ、自然と笑みもこぼれた。

試しに、記者も駅の入り口からホームまで目を閉じたまま点字ブロックの上を歩いてみた。案内サービスで良かったのは、改札内のトイレに寄り道した時のことだ。

オリパラ 新着記事

ALL CHANNEL