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存続危ういアマゾン先住民、美しい日常 撮影秘話

日経ナショナル ジオグラフィック社

2018/11/14

ナショナルジオグラフィック日本版

ブラジル、アマゾンの先住民アワの女性たち。水浴びをしながらペットのカメを洗っている(PHOTOGRAPH BY CHARLIE HAMILTON JAMES, NATIONAL GEOGRAPHIC)

写真家チャーリー・ハミルトン・ジェームズ氏は、ナショナル ジオグラフィック 2018年10月号で「アマゾンの孤立部族」特集の撮影を担当し、先住民の人々のプライベートな瞬間を撮影した。ハミルトン・ジェームズ氏はどうやって彼らを撮影したのか、その舞台裏をのぞいてみよう。

◇  ◇  ◇

アマゾンの孤立部族、アワの人々の中では、ハミルトン・ジェームズ氏は目立たずにはいられない。身長が193センチもあるのだ。「単に白人が来た、というのでなく、ものすごく大きな白人男が入ってきたという状態だったのです」と、氏は笑う。

違和感たっぷりな中で撮影を成功させるため、彼は目立たないことより、友達を作ることに力を注いだ。スマートフォンのアプリの助けを借りて、すぐに子どもたちを大笑いさせることができた。「子どもたちは、大人と違って壁がありません」とハミルトン・ジェームズ氏。間もなく大人たちも一緒になって笑い、彼は自分が歓迎されているとわかった。

もともと野生動物の写真家で、最近は先住民の生活を撮影している同氏は、この仕事の落とし穴をよく心得ている。「倫理的な地雷があちこちに隠れています。自覚していようといまいと、私たちは先入観を持って彼らの暮らしに入っていきますから」

■似ているところを狙う

撮影に当たって、ハミルトン・ジェームズ氏はアワ族と読者との違いを強調するよりも、類似点に目を向けた。「こういった場所へは、現地の人々と自分たちはそれほど違っていない、むしろ似ているのだと考えて行く方が、読者は彼らを身近に感じられます」と同氏。「そうすれば、彼らに感情移入できます。彼らの問題は私たちの問題に似ていると気が付くのです」

今回のアワ族の撮影は、ハミルトン・ジェームズ氏にとって、この地域での初仕事というわけではなかった。長年、彼は仕事で何度もアマゾンに足を運んできた。

「素晴らしい場所ですが、仕事場として快適とは言えません」と同氏。暑さや虫たちのおかげで、これまでも面倒な事態が起きていた。「結局、アマゾンとは愛憎が半ばする関係に落ち着きました」と彼は説明する。「放ってはおけないけれど、あまり行きたくもないという土地です」

それでも、ハミルトン・ジェームズ氏はアマゾンに取り組み続けている。「アマゾンに大昔から暮らしている人々のことを理解せずに、そこの森林を理解したり心配したりすることはできません」

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