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勤務中1時間ごとに喫煙 会社は法的に制限できるのか 弁護士 志賀剛一

2018/11/8

写真はイメージ=PIXTA
Case:44 私は喫煙者なので勤務時間中、1時間に1度ぐらいは喫煙ルームに行きたばこを吸っていましたが、先日、上司に呼ばれ、「非喫煙者から喫煙者の休憩時間が多すぎるとのクレームが出ている。喫煙は決められた休憩時間だけにするように」と言われました。そんなことを言い始めたらトイレの回数が異常に多い人や、一度行くとなかなか帰ってこない人もいますし、不公平ではないでしょうか。

■喫煙後45分間のエレベーター使用を禁止

はじめに白状しておきますと私も約6年前まで喫煙者で、あなたの気持ちがまったくわからないわけではありません。しかし、私が喫煙者だったころとは比較にならないほど喫煙者を取り巻く環境はますます厳しくなってきています。

昨今、各地で受動喫煙防止条例が制定され、民間企業はもちろん、地方公共団体でも健康被害の防止を目的に従業員、職員の勤務中の喫煙を禁止しているところが少なくありません。

このような場合でも、昼食などの休憩時間に他所で喫煙することまでは禁止されていない例が多いのですが、奈良県生駒市は職員による昼休み以外の職務時間内の喫煙を禁止するとともに、喫煙後45分間のエレベーター使用を禁止したそうです。そうなると、職員は昼休み時間に外で喫煙してきた場合、エレベーターを使うことができないわけです。

■「休憩かどうか」争われた裁判は複数

さて、あなたは1時間に1度ぐらい喫煙ルームに行きたばこを吸っているとのことですが、1回吸いに行けばだいたい10分ぐらいはデスクを離れることになりますね。休憩時間を除く勤務時間が7時間の場合、10分×7ですから、1時間以上喫煙のためにデスクを離れていることになります。

たしかにこれは見過ごせない時間であり、非喫煙者からクレームが出るのもやむをえないように思いますが、法律的にはどうなのでしょうか。

労働基準法では、使用者は労働者に対して休憩時間を自由に利用させなければならないことになっており、休憩時間は労働者が権利として労働から離れることが保障されていなければならないものと解されています。

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