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投信2本でも分散投資の効果 相性のよい組み合わせは QUICK資産運用研究所 清家武

2018/11/7

写真はイメージ=123RF

世界的に金融市場の変動率が大きくなり、ポートフォリオのリスク低減のニーズが高まりつつある。大量のファンドを使った複雑な分散投資はプロの投資家は可能だが、個人投資家には現実的とはいえない。実はシンプルな手法でも分散投資の効果は期待できる。主要ファンド2本の組み合わせによる効果を検証した。

複数のファンドに投資をする際、値動きの傾向が異なるファンドを組み合わせることで、相対的に資産全体の価格変動リスクを低減することが可能になる。これは、ファンドごとの異なる値動きによって全体のリスクが相殺されるため生じる現象だ。

■2本のファンドの相関係数を調べる

しかし、個人投資家にとっては資金も手間もかかる大量のファンドを使ったプロのようなポートフォリオの実現は難しい。

国内の個人投資家のファンドの保有数は平均1.6本程度しかない。そこで、個人が既に保有している1本のファンドに対して、もう1本追加し、2本に分散投資する手法を考えた。これだけでも分散投資の効果によりポートフォリオ全体のリスクを低減させることは可能だ。

それではどのような組み合わせが有効なのか。値動きの異なるファンドを見つけるには、「相関係数」という統計指標を使う。

相関係数はファンド間や指数との値動きの連動性を見る指標で、プラス1~マイナス1までの値をとり、プラス1に近づくほど似た値動き、マイナス1に近づくほど逆の値動きになることを示す。

■係数が低いファンドを組み合わせると効果

主要ファンドについて、直近10年間と20年間の相関係数を調べたものを表にまとめた。理論的には相関性が低いファンド同士を組み合わせると、分散投資の効果が得られ、価格変動リスクを低減しながら一定のリターンを狙えるということになる。

ただ、相関係数は計算する対象期間が重要だ。直近10年間を見ると、海外債券型、海外株式型、国内株式型など本来は相関性が低いはずのファンド同士の相関係数が0.7以上になっており、有意な結果とはいえない。

直近10年間を振り返ると、2008年のリーマン・ショックで資産価格全体が急落し、その後の世界的な景気回復で全体が大幅に上昇した。世界中のアセットクラス(異なる資産種類)が同じタイミングで一方向に動いた。ファンダメンタルズ(基礎的条件)から見て、この10年間は通常の10年間ではなかったといえる。

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