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心理学を正しく理解するのが大切と説く榎本博明氏

心理学を正しく理解するのが大切と説く榎本博明氏

ビジネスには説得や交渉が欠かせない。そんな場面で役立つ学問として真っ先に思い浮かぶのが心理学だ。「ビジネス心理学 100本ノック」(日本経済新聞出版社)を書いた榎本博明氏は「ビジネスシーンで心理学はかなり強力な武器になる」と言う。ただ、専門研究者からみて首をかしげたくなるような「えせ心理学」も目立つという。心理学の成果を正しく理解して、仕事に応用する方法を聞いた。

世間の「応用術」は本物か

日本企業で組織ぐるみの不正や不祥事が後を絶たない原因とも指摘されてきた「同調圧力」。交流サイト(SNS)人気の一因ともいわれる「承認欲求」。自然災害が起きたときに避難を拒む人の気持ちを説明するのに用いられる「(正常性、現在志向)バイアス」。これらはいずれも心理学用語だ。榎本氏は、本で100項目を取り上げ、それぞれの仕組みと活用法を説明している。「世の中に、あまりにもいいかげんな説明が広がっていることに危機感を覚えた」のが執筆の動機と明かす。

「『心理学』をうたって教えている人でも、学術的には不正確な雑学レベルで語っているケースがかなりある」と榎本氏は明かす。学位を持たないコンサルタントや企業経営の経験者が「心を操る」「自分を変える」といった触れ込みで「心理学もどき」の応用術を指南するケースもあり、「真に受けたら大変なことになりかねない」(榎本氏)。

近年、話題を集めたアドラー心理学の応用に関しても榎本氏は「安易な拡大解釈が目立つ」と指摘。コーチングやモチベーション管理と混同されている場合もあるようだ。実務家がビジネススキルを伝えるにあたって、アドラー心理学の「都合のよい部分だけをデフォルメして、自説にかぶせている」とみる。心理学もどきに引っ掛からないためには「書き手が心理学の博士号を持っているか、過去に論文を発表しているかをチェックするといい」(榎本氏)。

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