スティック掃除機、重心移動で高い所も操作しやすく
注目の新製品をピックアップ、市場性や開発者の声などから、日経トレンディ記者が大胆に「ヒット予報」をする。今回取り上げたのは、エレクトロラックス・ジャパンの「ピュア F9」。スライド機構を備え、重心を上下に変えられるユニークな製品だ。
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●実売価格/8万4800円(税別)
●サイズ・重さ/幅250×高さ845×奥行き216mm・4.1kg(スティック使用時)
●運転時間/低電力モード約60分、通常モード約30分、最大モード約17分
●充電時間/約6時間
●発売日/11月2日
スティック型掃除機には、モーターのある本体部分の位置によって「上重心」と「下重心」の2種類がある。エレクトロラックス・ジャパンはこれまで、スティック型では下重心の掃除機だけを販売してきた。ピュア F9も、床掃除のときは下重心で使うのが基本。他社の一般的な上重心タイプの掃除機と比べて、手首にかかる負担が半分程度(およそ0.9キロ)になるという。なお、本体の長さは、84~120センチの間で自由に調節できる。
実際にカーペットを掃除してみたが、4.1キロという本体重量(使用時)の割にスムーズに動かせた。スタンドがなくても自立するので、掃除中に家具などの障害物を動かしたいときに気軽に立てておけるのもメリットだ。
棚の上などを掃除するときは、本体部分を上にスライドして上重心に切り替える。すると重心が手元に近くなり、ノズルを交換すれば高い所も掃除できる。気になるのは、スティック型掃除機としてはやや重いこと。それでも実際に上重心で使ってみたところ、3~4分以内であれば疲れは少ないと感じた。この他、ベッドの下などの狭い所も上重心が向く。
ゴミ除去率は、同社のスティック型掃除機の中では最も高く、集じん容量(0.7リットル)も多め。変形させることでさまざまな場所を掃除できる、守備範囲が広い製品だ。
一般的な上重心の掃除機より重いのは難点だが、さまざまな用途に使えるのは魅力。付属品が少ない下位モデルは税別6万9800円。ダイソンやシャークニンジャとの価格競争力もあり、一定のシェアを取りそうだ。
[日経トレンディ2018年12月号の記事を再構成]
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