定年後、節約は大事だけど… 人生楽しむ費用は削るな経済コラムニスト 大江英樹

まず、保険です。生命保険はその人が亡くなった場合、経済的に困る人のために入るものです。定年になって子どもも独立していたら、本人が亡くなってもあまりお金に困る人はいないでしょう。一定の条件を満たせば配偶者に対しては遺族年金が支給されますから、多額の生命保険は必要ありません。

よく「いや、葬式代に」と加入を続けている人がいますが、葬式代なら貯金から出せばいいだけの話です。払いすぎている保険料を見直すと、月数万円は削減できる可能性があります。その分、旅行のために積み立てるとか、生活を楽しむ方に振り向けるべきでしょう。

義理や習慣でお金をかけているものはないか

他にも払っているけど、ほとんど利用していないクラブや団体の会費、携帯電話を契約するときについていたオプションプラン、現役時代の習慣で何誌も取り続けている読み物など、再考の余地があるものがたくさん存在しています。

まずはそういうものを削るべきだと考えます。実をいうと、私自身も定年後に見直しを実行しました。削減できた金額は医療保険5000円(生命保険は45歳で全部解約)、定期購読廃止4000円、携帯電話の不要オプションの解約6000円、これだけで月1万5000円、年間では18万円です。

さらに、義理で入っていた団体を退会することで、年会費2万円を削減できました。合わせて年20万円の節約です。

この金額なら夫婦2人で国内なら何度か温泉旅行に行くこともできます。しかも、契約をやめたからといって、不便だと感じたことは全くありませんでした。

節約は固定観念にとらわれるのではなく、本当に無駄がないかどうかを見つめ直してみる必要があるでしょう。

「定年楽園への扉」は隔週木曜更新です。次回は11月29日付の予定です。
大江英樹
野村証券で確定拠出年金加入者40万人以上の投資教育に携わる。退職後の2012年にオフィス・リベルタスを設立。著書に「定年男子 定年女子 45歳から始める『金持ち老後』入門!」(共著、日経BP)など。http://www.officelibertas.co.jp/