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ギターのジャックに挿すだけ ワイヤレスで快適演奏

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最近購入してかなり満足して幸せを感じているのが、楽器のシールドケーブルをワイヤレス化するBOSS「WL-20L」だ。どこがどう幸せだったのかをお届けしたい。

エレキベースやギターは、アンプとシールドケーブルで接続して音を出すのが一般的だ。しかしケーブルで接続していると、そこに足を引っかけて転んだはずみで楽器やアンプを破損したり、床をはうケーブルが汚れてベタベタになったり、ケーブルが届く範囲内でしか移動できなかったりと、いろいろ悲しい思いをすることになる。

長年にわたり何の疑問を抱くこともなくそうしてきたが、よくよく考えてみればヘッドフォンやマウスをはじめあらゆるものがワイヤレス化しつつあるこの時代、楽器もワイヤレス化すべきなのではないかと、ふと思った。

手軽に使える個人向けワイヤレスシステム

エレキ楽器をワイヤレスでPAシステムに接続する機器は古くからあり、ミュージシャンのライブ映像などで見かけることがある。そうしたプロ向けの機材は高価だが、個人向けの手ごろな製品もいくつかのメーカーから発売されている。価格は楽器側に取り付けるトランスミッターとアンプ側に取り付けるレシーバーのセットで1万円台半ばからといったところ。一般的にシールドケーブルは1メートルあたり1000~3000円ぐらいなので、5~7メートルのシールドケーブルを数本購入するぐらいのコストだ。

ただし、ワイヤレス化によって音が弾いてから遅れて出ないか(遅延、レイテンシー)、ケーブル接続時と音が変わってしまうのではないか、電波の混信で音が途切れたりしないか、といった心配もある。そうして迷っているときに発表され、コレだと思って予約して購入したのがBOSS(ローランド)の「WL-20L」だ。

BOSSは楽器用エフェクターなどでギターを弾く人にはおなじみの国内ブランドだが、選んだ理由はその安心感だけではなく、レイテンシーの低さや安定した接続ができるらしいことと、ワイヤレス接続のペアリングが簡単にできる仕組みやスマホのようにmicro USBで充電できるなど、扱いが簡単そうなところが気に入ったから。兄弟モデルとして「WL-20」「WL-50」もある。

設定は超簡単

「WL-20L」は、トランスミッターがギターから受け取った音をデジタル化して、2.4GHz帯の電波を使ってレシーバーに送る仕組みだ。伝送範囲は見通しがいい場所で15mとなっている。ワイヤレス機器に必要なペアリング作業はとても簡単で、トランスミッターをレシーバーに挿し込んで10秒ほど待つだけ。ペアリングできたら、ケーブルの代わりとしてトランスミッターをギターに、レシーバーをアンプに挿し込めばいい。

トランスミッターとレシーバーにはそれぞれmicroUSB端子があり、これを使って充電する。スマホ用の充電器やモバイルバッテリーでOKだ。それぞれ個別に充電することもできるが、ペアリングするときのように合体させると両方をまとめて充電できる。カタログ値だと駆動時間はトランスミッターが約12時間、レシーバーが約10時間となっているが、実際に使い始めると駆動時間が少し短いと感じた。使用するたびにレシーバーとトランスミッターを合体させて、まとめて充電する習慣をつけておくほうがいい。スマホのような急速充電機能が欲しいところだ。

ケーブルから解放されて身軽に

ワイヤレス化してまず感じたのが身軽さ。ケーブルの呪縛がなくなったおかげでアンプから離れた場所で弾けるようになった。エレキギターやベースを弾いたことがある人なら分かると思うが、演奏中に楽器の位置を直したり姿勢を変えるとき、ケーブルの固さや重さに引っ張られて動きづらいことがある。ワイヤレス化することでそうした不自由さがない。

自宅でアンプを置いてある部屋から7~8m離れたソファーの上に寝転がって弾けるし、弾いている最中に宅急便の配達が来てもストラップを外して楽器を置くことなく、そのまま玄関に行って判子を押せる。こうした身軽さがこのうえなく快適で幸せだ。

遅延はまったく気にならず

スタジオにも持ち込んでみたが、足元にケーブルがないので転んでしまうこともない。当然ながら床でケーブルが汚れることもない。意外と重くてかさばるケーブルを持ち運ばなくて済むのもありがたい。

そしてワイヤレス化で不安だった遅延はまったく気にならない。ケーブル接続で弾いているときと同じ感覚で、弾いているうちにワイヤレスであることを忘れてしまう。また2カ月ほど使ってきたが、電波の混信はこれまで一度も起きていない。弾く前にトランスミッターとレシーバーを合体させてペアリングするだけで、ケーブルがなく、遅延もなく、混信もない、快適なワイヤレス楽器ライフを送ることができている。

音がクリーンで太くなる

最初に音を出したとき、遅延のなさと同時に驚いたのが音だ。シールドケーブルで接続したときと明らかに違う。まずパッシブPU(ピックアップ)が付いたジャズベースで使ったのだが、まるでEMGのアクティブPUに交換したり、バッファアンプを入れたときのような、音がクリーンで太くなった感触があった。ケーブルで楽器とアンプを接続すると、ケーブル内の抵抗などで音に変化が起こる。音が太くなったと感じたのは、音をデジタル化して劣化することなく伝送するため、こうした変化が少ないからだろう。

いわゆるパッシブベースらしい音が薄れてしまって最初は戸惑ったが、これはこれで悪くない。音作りをするエフェクターのような感覚でこのシステムを導入するのもアリかもしれない。プリアンプの入ったアクティブベースでも試してみたが、こちらも変化は感じたものの、パッシブベースのときほど大きな変化はなかった。

トーンシミュレーションはまずまずの効果

筆者が購入したのはWL-20Lだが、兄弟モデルに「WL-20」がある。大きな違いは、WL-20には「ケーブル・トーン・シミュレーション」が付いていること。これは、前述のケーブルで接続したときの音の変化をシミュレーションして再現する機能だ。なおレシーバーがエフェクターサイズになった「WL-50」というモデルもあり、これはこの機能を2段階で切り替えて利用できる。

このケーブル・トーン・シミュレーションの効果が気になったので、ローランドからWL-20を借りて弾き比べてみた。すると、確かにWL-20はWL-20Lよりケーブルを使ったときの音に近くなる。ただしケーブルで接続したときと同じ音というほどではなく、WL-20Lで接続したときの音とケーブルを使ったときの音の中間といったところだ。パッシブのベースやギターを使っている人は、WL-20のほうが違和感なく使えそうだが、どちらを選ぶかは好みによるだろう。

自分の楽器に取り付けられるかどうかに注意

いいことばかりのように思えるWL-20L(WL-20シリーズ)だが、注意点もある。シールドケーブルのプラグを挿し込むジャック周辺の形によって、物理的に取り付けられない楽器があることだ。プラグの根元に電源を入れるスイッチがあるので、プラグを奥までしっかり挿し込まないとスイッチが入らず使えない。しかし楽器のジャック部分が奥まった位置にあると、WL-20Lのボディーが楽器と干渉してしまい、十分挿し込めないことがあるのだ。

手元にある楽器に片っ端から取り付けてみたが、筆者が確認できた範囲では、いわゆるフェンダーのジャズベースやプレシジョンベースのような、ジャックがボディートップに水平に露出して付いているタイプはまず大丈夫。レスポールタイプのギターなどで見られる、ボディー側面に水平に露出して付いているタイプも大丈夫だった。

判断が難しいのは、ジャックがボディー面に対して斜めに付いているタイプだ。手元にあるフェンダー ストラトキャスターは問題なかったが、接続できない楽器がいくつかあった。また、電気的に使用できない楽器があることも製品のWebサイトに記載されている。結局のところ使えるかどうかは楽器によるとしか言えないので、購入する前に店に楽器を持参して、接続できるかどうか確認することをおすすめしたい。

ケーブルから解放される快感

WL-20Lは遅延が気にならず、音はクリアで設定も楽という、おすすめの楽器用ワイヤレスシステムだ。実際の売れ行きはどうなのかローランドに聞いてみると、WL-20シリーズは世界中で想定を大きく上回る売れ行きで、BOSSブランドの製品としてはかなりのヒット商品になっているそうだ。ネットで販売店を検索しても「在庫なし」や「次回入荷待ち」の表記ばかりで、人気の高さがうかがえる。

筆者も、駆動時間がちょっと短く感じること以外はほぼ満足している。あとはボディーがもう少しコンパクトになり、取り付け可能な楽器が増えてほしいところだ。ケーブルから解放されて身軽になった気分で演奏できるのは大変楽しく、服を脱ぎ捨てたような自由を味わえるところが魅力だ。こうした扱いやすい製品が増えれば、エレキギターやベースをワイヤレスで使うことが当たり前になっていくかもしれない。このシリーズの今後の展開にも期待したい。

湯浅英夫
 元ジャズミュージシャンのライター。PC、スマホ、ネットサービスなどIT関連を中心に執筆しつつ、たまにウッドベースやエレキベースを弾いている。音楽の守備範囲はジャズから古いソウル、ロック、AOR、MPBまで雑食。ジャズと楽器には少しうるさい。

[日経トレンディネット 2018年10月22日付の記事を再構成]

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